日韓図書協定を承認 参院本会議
「朝鮮王室儀軌(ぎき)」など朝鮮半島由来の図書1205冊を韓国側に引き渡す日韓図書協定が27日午前の参院本会議で民主、公明両党などの賛成多数で承認された。自民党は韓国国内にある日本由来の図書を韓国側に引き渡し要求しない政府の対応を問題視して、反対に回った。
朝鮮王室由来の図書は、菅直人首相が昨年8月の日韓併合100年に関する談話で「韓国の人々の期待に応えて近くこれらをお渡ししたい」と表明した。同年11月に、日韓両外相が協定に署名。植民地時代に朝鮮半島から日本へ流出した朝鮮王朝の主要行事などを記した古文書「朝鮮王室儀軌」などの引き渡しが決まった。
政府は協定案を昨年の臨時国会に提出したが、自民党との調整がつかず、承認が見送られていた。自民党は4月の衆院本会議での採決の際も反対したが、森喜朗元首相ら一部の有力議員が党方針に抗議して欠席・退席した。