財務相、大型補正「国債発行枠にこだわらず」
麻生太郎副総理兼財務・金融相は26日夜の初閣議後の記者会見で、安倍晋三首相から総合的な円高対策を策定するよう指示を受けたことを明らかにした。来年1月にまとめる大型補正予算の財源は44兆円の国債発行枠にこだわらず確保する方針を表明。デフレ脱却に向け、物価上昇率目標の設定を含めた日銀との連携強化を図る考えも示した。
安倍首相が初閣議で編成を指示した今年度補正予算の規模について、麻生財務相は記者会見で「(新規国債発行額の上限は)44兆円にこだわらず、思い切った規模の補正予算を編成してほしい」との指示があったことを明らかにした。3年ぶりの補正段階での国債増発が確実になった。民主党政権が3年間、国際公約として守ってきた毎年度の「新規国債発行44兆円枠」を突破する。
麻生財務相によると、首相は金融政策について、財務相に対し「政府と日銀との間の明確な物価上昇率目標を含めた連携強化の仕組みの構築」を指示した。
日銀の白川方明総裁は物価上昇率目標の導入について、1月の金融政策決定会合で日銀としての見解をまとめる方針を示している。今後、安倍首相が言及している2%の物価上昇率を念頭に、政府・日銀で政策協定(アコード)の締結に向けた議論が進む見通しだ。
総合的な円高対策では、自民党が衆院選で政策集に掲げた官民協調外債ファンドの創設が検討対象になる可能性がある。