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東電会長にJFE相談役の数土氏 経営者起用

2013/12/27付
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数土文夫氏=共同

数土文夫氏=共同

政府は過半数の議決権を握り、実質国有化している東京電力の下河辺和彦会長(66)の後任に、社外取締役の数土文夫JFEホールディングス相談役(72)をあてる人事を固めた。下河辺氏の任期が切れる来年6月を待たず、来春にも就任する可能性がある。数土氏の経営者としての豊富な経験や社外取締役として東電の改革を引っ張ってきた実績を評価した。

福島第1原子力発電所の事故で経営危機に陥った東電は、弁護士出身の下河辺氏が指示してきた賠償などの事故対応に追われた局面から、経営に通じた数土氏の下で再建の速度を上げる段階に移行する。政府が東電の新たな総合特別事業計画(再建計画)を来年1月に認定した後、東電の指名委員会での指名を経て取締役会で正式に決める見通しだ。

関係者によると、今月に入って政府高官が複数回にわたって数土氏に会長就任を要請。数土氏も受け入れたもようだ。最高経営責任者(CEO)の肩書をつけるかなどは今後つめる。一部の社外取締役も続投し、数土氏を支えるとみられる。

数土氏はJFEの社長やNHKの経営委員長などを経て昨年6月に東電の社外取締役に就いた。東電は全体の過半を占める社外取締役が経営改革を進めてきた。数土氏は取締役会でも積極的に発言し、東電の合理化策などを主導してきた。

東電は福島第1原発の廃炉や汚染水対策、被災者への賠償を着実に進めることが最重要課題だ。数土氏は製鉄所の勤務が長く、製造業の現場に精通する。廃炉や汚染水対策では製造現場に詳しい経歴がプラスに働くことも政府が数土氏を選んだ一因とみられる。

政府は今月、東電が全額を負担するとしてきた除染や中間貯蔵施設の費用の一部を負担する方針を決めた。数土氏も社外取締役として国が除染費用を分担するよう求めてきた。東電の再建に向け国が関与を深めたことを評価し、就任の要請を受け入れたもようだ。広瀬直己社長(60)ら執行体制の陣容は数土氏が中心になって改めて決める。

下河辺氏は東電の会長に就く前に政府の原子力損害賠償支援機構の運営委員長として東電の経営問題に取り組んできた。民主党政権時代の2012年、政府は経営者出身の会長候補を探したがいずれも断られ、東電の内部事情に詳しい下河辺氏が会長を引き受けた。

当初は1年間という約束だったが、自民党への政権交代後の今年4月に安倍晋三首相の要請で続投した。新たな再建計画がまとまったことも区切りに、経営者出身の数土氏に会長職を引き継ぐ意向とみられる。

数土 文夫氏(すど・ふみお)64年(昭39年)北大工卒、川崎製鉄入社。01年社長、05年JFEホールディングス社長。11年NHK経営委員会委員長、12年東京電力取締役。富山県出身。72歳。

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