日本・UAE、原油備蓄量増加で一致 首相と皇太子
安倍晋三首相は26日、首相官邸でアラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド・アブダビ首長国皇太子と会談した。両国が日本国内に共同で備蓄する原油量の4割増や原子力の安全利用などエネルギー分野の連携、UAEに対する日本の査証免除の検討などを盛り込んだ共同声明を発表。安全保障協力や日本産食品の輸入規制の緩和・解除でも協議していく方針を確認した。
首相は会談の冒頭で「包括的パートナーシップをさらに強化したい」と強調。皇太子も「共通の利益を増進させるため、2国間の連絡・連携をさらに密にしていきたい」と応じた。
両首脳の立ち会いで、人材育成や安全確保など原子力協力に関する覚書、貨物便の新規就航を可能にする航空協定改正などの文書に署名。首相は年末までに日本の高度医療機関にUAEの患者を受け入れ始めると表明し、皇太子も歓迎の意を示した。投資協定交渉の開始や原子力協定と租税条約の締結に向けた国内手続き進展も歓迎した。
両首脳は海上安全保障での連携や防衛当局高官の相互訪問などの重要性でも一致。皇太子は安倍政権が掲げる「積極的平和主義」に基づき、日本が中東などの平和と安定に関与することに賛同した。保健や防災分野などの途上国支援や紛争地域への人道支援で協調することも確認した。