東日本の電力融通、望み薄 5月に全原発停止へ
東日本の電力供給を巡る環境が厳しさを増している。東京電力の柏崎刈羽原子力発電所6号機は26日に運転を止め、北海道電力の泊原発3号機も5月5日に定期検査に入る。停止中の原発を再稼働させる道筋は容易に描けず、今夏の電力不足は避けられそうにない。頼みの綱は地域間の電力融通の拡大だが、技術面やコスト面での課題を克服する妙手は見当たらないのが現状だ。今夏も綱渡りの電力需給が続く可能性が高まっている。
柏崎刈羽原発6号機の停止により、東電管内で稼働する原発はゼロになった。政府は猛暑が続けば、管内の供給力が最大で13.4%不足すると試算している。東北電力は青森県の東通原発1号機の再稼働を急ぐが、事故を起こした東電福島第1原発と同じ沸騰水型の原子炉のため、準備は遅れている。
東日本では再稼働に近い原発は見当たらない。経済産業省原子力安全・保安院がストレステスト(耐性調査)結果を妥当と認めたのは、関西電力大飯原発3、4号機と四国電力伊方原発3号機で、いずれも西日本の原発だ。
北電の泊原発3号機の停止で、東日本域内での電力融通は困難になる。もともと北電は原発の割合が4割と他の電力会社に比べて高い。供給区域内で冷房の使用が少なくピーク需要が夏場に来ないため、これまでは余った電力を東北電に融通してきた。泊3号機の停止によって、この仕組みは根底から揺らぐことになる。
周波数が異なる東日本と西日本の間での電力融通を進めるための対策も遅れている。
最大で13.4%の電力不足になる東電に対して、中部電力は猛暑の場合でも1.5%の余裕がある。東電の供給力が不足しそうな場合、中部電からの融通を受けるという手があるが、両社は周波数が異なっている。周波数変換装置を通して融通する必要があり、装置の容量が限られていることがネックとなる。
昨年3月の東電福島第1原発事故後に東日本で電力が不足した際、周波数変換装置の容量不足などが原因で西日本から満足な融通ができなかった。この反省を受け、経産省は2月に総合資源エネルギー調査会の研究会を立ち上げ、対策の検討に着手している。
26日に開いた研究会の会合では、周波数を変換するための設備や送電線の増強が課題となると指摘した。だが巨額になる可能性がある増強費用を国がどこまで負担するかなどは示せず、今夏どころか中長期の対策も打ち出せていない。
電力業界は3月初旬に東西融通の容量を現在の120万キロワットから90万キロワット上乗せする案を示した。ただ、この案は需要家が節電などの対応をすることを前提としている。26日の研究会会合では経産省が、計画停電などに陥る可能性を排除できないとして「政策的な観点から上乗せが必要」と指摘した。
政府のエネルギー・環境会議は今夏、全国9電力会社のうち、東北と中部などを除く6社で電力の供給不足に陥るとの試算をまとめている。東日本、西日本ともに原発の再稼働が課題となるが、地元との調整はなお難航している。福井県議会の民主党系会派会長は26日に枝野幸男経産相と会談したが、大飯原発の再稼働について「(政府の対応は)前のめり感がある」と指摘した。
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