インフラ更新費、10年後は最大5.1兆円必要 国交省推計
国土交通省は25日、道路や空港などインフラ10分野の維持管理・更新費用の推計を発表した。2013年度は年間で3.6兆円必要で、これが10年後には最大で5.1兆円と今年度比4割増となる見込み。インフラの劣化が進むためだ。財源が限られるなか、利用者が少ない施設は廃棄し、補修対象を絞るなどの対応も必要になりそうだ。
道路や港湾、空港などインフラの更新に必要な経費は10年後の23年度には年間4.3兆~5.1兆円の見通し。33年度には4.6兆~5.5兆円程度とさらに膨らむ。
高度経済成長期などに集中してつくったインフラは老朽化が進む。そのため、今後は政府や地方公共団体といった管理者が点検・補修に取り組まなければならない施設が増える。開港から35年が経過した成田空港は滑走路の舗装や管制塔の設備などの更新が必要だ。
これまで国交省は、11~60年度までの50年間でインフラの更新に必要な経費は190兆円と試算していた。今回は更新の対象となる施設の分野を広げ、工事の方法や施設の耐用年数など、試算の前提条件を見直した上で、推計し直した。
13年度当初予算で政府や地方公共団体などが公共事業に充てる予算は、新設も含めて総額10兆円程度。既存インフラの老朽化対策への支出は、現時点でさえ同予算の3割以上に達する計算だ。