2017年12月13日(水)

法人税改革、地方税も争点に 政府が外形標準課税の拡大検討

2014/4/25付
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 法人税改革で地方税が争点になってきた。主要国よりも高い日本の法人実効税率を下げるには、法人税収の約3割を占める地方税部分の見直しが欠かせないためだ。政府が検討を始めたのが、事業規模に応じて都道府県に税金を払う「外形標準課税」の拡大。赤字企業も税を負担する仕組みで、増税分を法人実効税率下げの原資にあてる。だが、負担が増える中小企業は反発を強める。実現の道筋は見通しにくい。

 24日開いた政府税制調査会の法人課税専門委員会で大田弘子座長は、地方法人課税の改革案を示した。企業が都道府県に納める「法人事業税」のうち、外形標準課税の割合を高めたり、資本金が1億円以下の企業を対象に加えたりする案を検討する。

 法人税は企業がもうけ(所得)に応じて払うのが原則で、ほとんどを黒字企業だけで負担している。だが、日本の黒字企業の割合は約3割にとどまり負担が偏っているとの指摘が根強かった。

 外形標準課税は、従業員への給与など企業が生み出した付加価値や資本金などの額に応じ、税金を払う仕組み。赤字企業でも税金を払う必要があり、負担をならす効果がある。

 政府は2004年に資本金1億円超の大企業に限って外形標準課税を導入した。法人事業税のうち、所得にかかる税率を従来の9.6%から7.2%に下げ、減った税収を外形標準課税での税収で穴埋めした。法人事業税の4分の1を外形標準課税に置き換えた格好だ。

 今回も同様の手法で、税収を減らさずに税率を下げることを検討する。法人事業税の半分を外形標準課税にすれば、企業が負担する法人実効税率(約35%)を1.5%程度下げられる。

 問題は現在の外形標準課税が、企業の払う給与が増えるほど、税負担も増える仕組みになっていること。24日の会議でも佐々木則夫東芝副会長が「安倍政権下で進んだ賃上げとぶつかる」と指摘。「賃金や雇用への影響がある外形標準課税は、世界でも廃止する国が多い制度」(田近栄治一橋大特任教授)との冷ややかな意見も出た。

 外形標準課税の対象企業を資本金1億円以下の中小企業に広げることも検討する。税負担を広く薄く担う仕組みを中小企業に広げる狙いだが、「(税負担増で)8割の雇用を抱える中小企業をつぶしていいのか」(日本商工会議所の田中常雅特別顧問)との反発も強い。

 24日の会議では外形標準課税の拡大について賛否が分かれたため、結論は持ち越した。大田座長は雇用への影響に配慮した修正案を検討する方針だ。政府税調は外形標準課税の見直しを含め、法人税改革案を5月までにまとめ、6月の政府の「経済財政運営の基本方針(骨太の方針)」に反映させる。

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