2019年9月16日(月)

中国監視船が領海侵犯 政治空白期を突く

2011/8/24付
保存
共有
印刷
その他

中国の漁業監視船が24日、沖縄県の尖閣諸島近くの領海内に侵入した。日本政府は外交ルートを通じ抗議したが、中国側は正当性を強調した。海洋権益を確保するための既成事実を作る中国側の思惑がうかがえる。危機管理対応が鈍くなる政権移行期の政治空白を突かれた。

海上保安庁が視認したのは漁業監視船2隻。早朝に久場島周辺の領海内に入り、海保が無線で警告すると「中国管轄海域で正常な法執行をしている」と反論。領海の外に出てからも夕方まで接続水域にとどまり、領海線に沿って時計回りに航行を続けた。

中国船による領海侵入は2010年9月に久場島周辺で海保巡視船と中国漁船が衝突した事件が起きてから初めて。この際は民間船だった。中国公船としては08年12月に海洋調査船が魚釣島周辺に侵入したとき以来となる。

尖閣諸島は歴史的にも国際法上も日本固有の領土で、領有権問題は存在しない。中国と台湾はそれぞれ領有権を主張している。中国とは東シナ海のガス田開発で長く対立が続き、08年の共同開発合意後も具体的な進展がない。

佐々江賢一郎外務次官は中国の程永華駐日大使に「事態は非常に深刻で、極めて遺憾だ」と伝えた。枝野幸男官房長官は記者会見で「中国側に適切な対応を求めたい」と語った。菅直人首相ら政権幹部が対応を協議する場面はなかった。

29日の民主党代表選を控え、危機管理の司令塔となる首相官邸では前原誠司前外相を推す仙谷由人官房副長官は多数派工作に労力を割く。首相は今回の領海侵犯に関してメッセージを発しなかった。

10年9月の中国漁船衝突事件は菅首相と小沢一郎元代表が争った代表選のさなかに起こった。漁船船長を逮捕しながら反発を受けて釈放したり、海保から衝突映像が流出したり、批判された。領海侵犯の対処で同じてつを踏む危険性がある。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。