マイナンバー法成立 税・年金を16年から一元管理
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社会保障・税の共通番号(マイナンバー)法は24日の参院本会議で可決、成立した。国民一人ひとりに番号をふり、年金などの社会保障と納税を1つの個人番号で管理する新制度が2016年1月から始まり、給付申請などの行政手続きが大幅に簡素化される。個人情報の漏洩や第三者による悪用のおそれもあるため、政府は対策を急ぐ。
政府は15年10月をメドに住民票を基にした個人番号を国民に通知する。16年1月から番号情報が入ったICチップを埋め込んだ顔写真付きの個人番号カードを配布。番号で年金の相談や照会が可能になる。
17年1月からは複数の機関の発行書類が必要だった行政手続きなども窓口にカードを提示するだけで済ますことができるようになる。インターネットで「マイ・ポータル」というホームページを開設、接続すれば年金や介護保険料の納付状況、所得などに関する本人情報が確認できるようになる。パソコン上で情報を取得し、確定申告などの手続きができる。
政府は行政コストの圧縮や税や社会保障料の徴収、給付をより適正にする効果を見込む。18年10月をメドに、医療情報や民間の活用を含めた利用範囲の拡大を検討する。
政府は悪用を防ぐため、行政機関を監視・監督する「特定個人情報保護委員会」を設け、情報管理を徹底する。
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