2019年1月16日(水)

社会保障「負担増は不可避」 首相が施政方針演説
消費税念頭に、TPP参加「与野党で協議を」

2011/1/24付
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第177通常国会が24日召集された。菅直人首相は午後の衆参両院の本会議で、就任後初の施政方針演説に臨み、消費税を含む税と社会保障の一体改革、貿易を自由化して関税を原則撤廃する環太平洋経済連携協定(TPP)参加、政治改革で与野党協議を呼びかけた。社会保障制度改革にあたっては「国民にある程度の負担をお願いすることは避けられない」との認識も示した。

首相は演説の3本柱として貿易・投資の自由化を促進する「平成の開国」、社会保障改革や雇用に力を注ぐ「最小不幸社会の実現」、政治とカネの問題など「不条理をただす政治」を掲げた。

「平成の開国」の柱のTPPは「米国など関係国と協議し、6月をめどに交渉参加の結論を出す」と強調。自民党が3月に党の賛否を決める方向であることにも触れ、野党に積極的な議論を呼びかけた。「農林漁業の再生は待ったなしの課題」として6月に基本方針をまとめる考えも示した。

施政方針演説のポイント
平成の開国
  • TPPは6月に交渉参加について結論
  • 農林漁業再生に向けて6月に基本方針
最小不幸社会の実現
  • 6月までに社会保障改革の全体像と消費税を含む税制の抜本改革の基本方針
  • 国民の負担増は不可避。消費増税含む国民負担について与野党協議を提案
不条理をただす
  • 政治資金透明化などの政治改革に不断の努力
マニフェスト
  • 公表から2年を区切りとして、マニフェストの事業を検証
外交・安全保障
  • 現実主義を基調。日米同盟は外交・安保の基軸
  • 米軍普天間基地移設問題は日米合意を踏まえ、危険性の除去を最優先課題に
  • 中国とは戦略的互恵関係の充実が重要。国際社会の一員として建設的な役割を果たすよう要求
  • ロシアとは北方領土問題を解決し平和条約を締結
  • 北朝鮮問題では日米韓の連携を強化。すべての拉致被害者の帰国実現に全力

「社会保障の財源確保は限界」として、国民に負担増を求める考えを表明。「6月までに社会保障改革の全体像とともに、必要な財源を確保するための消費税を含む税制抜本改革の基本方針を示す」と強調した。与野党協議を提案し「対策を講じる責任は、与野党の国会議員全員が負っている」とも訴えた。

「国民は政治改革に不断の努力を求めている」と指摘。政治資金の一層の透明化、企業・団体献金の禁止などに与野党で具体案をまとめる意向を示した。検察審査会の議決に基づき、近く強制起訴される民主党の小沢一郎元代表の政治資金問題には具体的に言及しなかった。

政権交代した2009年衆院選の民主党のマニフェスト(政権公約)は高速道路無料化、月2万6000円の子ども手当などを念頭に「公表から2年を一つの区切りとして国民の声を聞きながら検証する」と表明。修正路線を明確にした。

外交・安全保障は「現実主義を基調にして取り組む」と表明。日米同盟を「我が国の外交・安全保障の基軸」と位置付けた。沖縄の米軍普天間基地問題では、名護市辺野古への移設を明記した昨年5月の日米合意を踏まえ「危険性の一刻も早い除去に向け最優先で取り組む」と理解を求めた。

中国とは戦略的互恵関係を充実させるとともに「国際社会の責任ある一員として建設的な役割を果たす」よう促した。ロシアとは「北方領土問題を解決して平和条約を締結する」と重ねて強調。対北朝鮮問題では日米韓の連携を強化し、すべての拉致被害者の帰国実現に全力を尽くす姿勢を示した。

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