規制委人事の打開ねらう 田中委員長候補が文書提出

2012/8/23付
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政府が9月の発足をめざす原子力規制委員会の委員長候補である田中俊一氏が23日、規制の方針などをまとめた文書を衆参両院の議院運営委員会理事会に提出した。膠着する委員長人事の局面打開をねらったものだ。

規制委の委員長に就くには衆参両院の同意が必要。政府は7月26日に国会に提示したが、同意を得られないままたなざらしが続く。田中氏は内閣府の原子力委員会委員長代理を務めたことがあり、一部の与野党議員が「『原子力ムラ』出身」と批判を強めているからだ。

規制委は法律上9月26日までに発足させなければならない。委員長が決まっても発足にはオフィス移転などに約3週間かかる。逆算すると今月中に同意を得ないとスケジュールがきつい。環境省幹部も「今週中になんとかしたい。断固たる決意でやる」と語っていた。

そこで政府が繰り出したのが文書の提出。田中氏は今月1日に国会で所信を述べており、文書による再度の所信表明は異例だ。「事業者と一線を画した規制行政を必ず実現する」「規制を常に世界で最も厳しいレベルに維持する」などと批判を意識した記述が並んだ。

ただ、文書は前回の所信表明とほぼ同じ内容で真新しさに欠ける。田中氏の人選に批判的な議員の納得を得られるかどうかは予断を許さない。

同意を得られないまま国会が閉じる万一の事態も想定し、政府内では「奥の手」もささやかれる。閉会後に国会の同意を得ずに首相が委員長を任命し、あとから同意を得るというものだ。規制委の設置法に規定があるが、与野党の反発を招くのは必至。「政治からの独立」をうたう規制委は発足前から政治に翻弄されている。

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