2019年2月17日(日)

「バブルの負の遺産なお」 経済財政白書
家計中心の内需拡大提言

2010/7/23付
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荒井聡国家戦略・経済財政担当相は23日の閣議に、2010年度の年次経済財政報告(経済財政白書)を提出した。日本では過去20年程度にわたって慢性的な需要不足が続き、デフレからの脱却が困難になったと指摘。「バブル崩壊の負の遺産は払拭(ふっしょく)されていない」との認識を示し、家計部門を中心とする日本経済再生の必要性を訴えた。民主党政権が実行に移した子ども手当や高校無償化などを通じ、10年度の可処分所得が前年度より1.4兆円増えるとの試算も盛り込んだ。

副題は「需要の創造による成長力の強化」。昨年9月に誕生した民主党政権下では初めての白書で、企業部門よりも家計部門の支援を重視する同党の基本理念を色濃く反映している。

国内景気については「民間需要中心の自律回復には至っていない」としながらも、昨年春ごろから着実に持ち直しているとの判断を示した。個人消費や設備投資が安定的に伸びれば、経済対策の効果が一巡しても、景気腰折れの可能性が低下するとみている。

ただ世界経済の減速や原油高などの下振れリスクが残ると分析。欧州の信用不安や中国のバブル懸念にも触れ「注意が必要だ」と強調した。

政府は昨年11月の月例経済報告で、日本が01年3月~06年6月に続いて再びデフレに陥ったと宣言した。今回は00年代初頭よりも物価の下落が急速で、09年の1年間で値下がり品目の割合が30%程度から60%台半ばに上昇したという。

08年9月のリーマン・ショックが直接的な原因となったとしながらも、「1990年前後のバブル崩壊後の調整が長引き、需要不足状態が続いた」ことがデフレの根源にあるとの見解を表明した。09年の完全失業率は5.1%で、需要不足が2ポイント程度の押し上げ要因になったと試算した。

さらに「バブル崩壊の負の遺産を清算しなければ、力強い成長は望みにくい」と指摘。「家計を中心に据えた内需拡大の道を探ることが課題だ」との認識を示し、家計支援を通じた可処分所得の増額、高齢者の就労促進や現役世代の労働時間短縮による消費の刺激などを訴えた。

企業部門の活性化にも触れ、環境・エネルギー、医療・介護などの分野で新たな産業や雇用を創出すべきだと提言した。国際的に高い法人課税の実効税率(現行約40%)については「税率の引き下げが必ずしも税収を低下させない」と指摘し、間接的な表現で減税の可能性をにじませた。

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