社会保障改革へ プログラム法案骨子を閣議決定
高齢者の負担増求める

2013/8/21付
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政府は21日、社会保障制度改革の工程表と位置付ける「プログラム法案」の骨子を閣議決定した。若い世代向けに少子化対策を盛り込む一方で、高齢者や高所得者には給付費の抑制策や負担増で協力を求めた。医療は2014年度から70~74歳の窓口負担を段階的に上げ、2015年度には介護サービスの自己負担を増やす。ただ抑制策は全体に小粒で、年金では具体的な改革を先送りしている。

プログラム法案の骨子は、政府の有識者会合である社会保障制度改革国民会議が6日に安倍晋三首相に提出した報告書を踏まえた。今秋に開く臨時国会で成立させ、年明けの通常国会に医療と介護の関連法案を提出する。

骨子は少子化対策・医療・介護・年金の社会保障4分野で、消費税率の引き上げを前提に、給付と負担の見直し策を網羅した。社会保障が高齢者への給付に偏ってきた点を踏まえ、若い世代向けに少子化対策を盛り込んだ。14年度までに20万人分の保育の受け皿を作るなど、消費増税による税収増の一部(約7000億円)を給付充実に使う。

年間で総額100兆円を突破した社会保障給付費の抑制策は、給付の伸びが大きい医療・介護分野が軸。医療分野で高齢者の負担を増やす施策は「14年度から17年度までをメドに順次講ずる」と実施時期に幅を持たせ、後ズレに含みを持たせた。

政府はまず法律改正が必要なく予算の見直しで実施できる70~74歳の医療費窓口負担の引き上げを14年度にも実施する方針だ。現行の1割(現役並み所得のある人は3割)から2割に引き上げる。

負担増への高齢者の反発を和らげるため、一挙に2割に上げるのではなく、新たに70歳になる人から5年かけて段階的に上げる。このため一気に2割に上げれば年2000億円となるはずの公費の削減効果は初年度は百数十億円にとどまる。与党内では、この段階的な2割負担への引き上げにも開始を15年度に遅らせるよう求める声がある。

市町村が運営する国民健康保険は財政を安定させるため都道府県の運営に移す。その前に国保の赤字を埋めるため大企業の健康保険組合の負担を15年度から増やす。

介護分野の施策は「15年度をメドに講ずる」ことを目指す。一律1割となっている介護サービスの利用者の自己負担を一定以上の所得のある人は引き上げる。症状が軽い人は介護給付対象から外し市町村の事業に移す。

ただ、これらの介護給付の抑制策による公費の削減額は「年間1千数百億円程度」(政府関係者)。低所得者の介護保険料の軽減策などを含めると、介護にかかる公費はむしろ増えると見込まれる。

社会保障給付費の約半分を占める年金では支給開始年齢の引き上げなどの給付抑制を検討課題として列挙した。ただ、いつ具体策を検討するか時期は明記せず、中長期的な課題とするにとどめた。

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