2019年1月23日(水)

福島原発の汚染水、海流出の可能性 東電認める

2013/8/21付
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東京電力福島第1原子力発電所で地上のタンクから高濃度の放射性物質を含んだ大量の汚染水が漏れ出た問題で東電は21日、汚染水が外洋に流れた可能性を初めて認めた。原発事故の国際的な事故評価の尺度をあてはめて厳しい判定が改めて出る見通しも強まり、事態は緊迫度を増している。

高濃度の汚染水が外洋に流れ出ていた可能性が高い東京電力福島第1原発=共同

高濃度の汚染水が外洋に流れ出ていた可能性が高い東京電力福島第1原発=共同

東電は21日に公表した資料で「排水路を経由した海洋への漏洩は今後も継続調査」する方針を明らかにした。関係者によると、排水路の側面に水が流れた跡があり、その場で極めて高い放射線量が検出されたため、汚染水が海に流れたのは確実とみられる。

排水路は堤防に囲まれた福島原発の湾内ではなく、外洋と直接つながっている。東電は相沢善吾副社長が現地に常駐し、汚染水対策を抜本的に見直す考えを示した。

「原子力規制委員会は問題を把握していたのか」「職員の増員は検討しているか」。21日の田中俊一委員長の記者会見で、海外メディアの質問が相次いだ。

海外では海洋汚染が広がることに懸念が強い。外交官出身で規制委の大島賢三委員は21日の会合で「韓国、欧米でも福島汚染水の問題が報道され始めている。国の名誉や評判にとっていいことではない」と指摘した。

田中委員長は21日、国際原子力事象評価尺度で「レベル3(重大な異常事象)」相当とする再評価案の決定を保留した。「福島第1原発の状況は海外に細かく発信したい」としながらも「お化け屋敷みたいに次から次へといろいろなことが起こる。(レベル)2だ3だとやっていくのは必ずしも適切ではない」と述べ、事態の推移をみながら国際原子力機関(IAEA)と慎重に協議する考えを示した。

福島第1原発では、通常の評価尺度を適用しにくいとの声もある。福島の事故では2011年4月に受けた「レベル7(深刻な事故)」の評価が現在も続いている。

規制委が21日夕に有識者らを集めて開いた作業部会で、東電は長期に漏れが続き、大半が土に染み込んだと推定。産業技術総合研究所の安原正也主任研究員は、汚染水が地下水に混じれば「(地下水を海に流す)地下水バイパス計画が破綻しかねない」と指摘した。

東電は漏れたタンクに残った汚染水を隣のタンクに今日中にも移送し、原因を突き止める作業を始めることも発表した。ただ規制委の更田豊志委員は「他のタンクにも疑いを持たざるを得ない」と語り、早急な総点検を求めた。

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