経財相、年金支給年齢の引き上げ言及 首相も理解

2011/1/21付
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与謝野馨経済財政相は21日の政府の新成長戦略実現会議(議長・菅直人首相)で、現在は原則65歳とする公的年金の支給開始年齢の引き上げを検討する考えに言及した。「人生90年を前提に定年延長を考えねばならない。それにより年金支給年齢の引き上げも考えられる」と指摘。少子高齢化で重くなる現役世代の負担の軽減と人口減で減る労働力の確保などが狙いとみられるが、今後、議論を呼びそうだ。

経財相は「成長型長寿経済をつくっていかねばならない」と述べ、定年延長により高齢者の雇用機会を増やすべきだとの考えを表明。首相も「大変正しい言葉をもらった。積極的に高齢者に経済活動に参加してもらう構想は魅力的だ」と理解を示した。今後、同会議で議論する重要課題として取り上げていく方針だ。

公的年金の支給年齢は自営業者ら国民年金だけの人は65歳。会社員などの厚生年金は、基礎年金相当の定額部分は現在の64歳が2013年度から65歳に、報酬比例部分(現在60歳)も25年度までに段階的に65歳に引き上げられる。

社会保障を巡る財源が逼迫している現状をあえて強調することで、国民に消費税増税に基づく財政改革への理解を求める狙いもありそうだ。

一方で経財相は22日未明、自らの一連の発言について「中長期の日本のビジョンを述べたものだ。当面の社会保障・税一体改革において年金支給開始年齢延長を検討する旨を述べたものでは全くない」とのコメントを発表した。

日本の年金制度は世代間扶養の考え方に基づく「賦課方式」で、高齢者世代の年金給付に必要な財源を現役世代の保険料でまかなっている。今後の少子高齢化の進展で現役世代の保険料負担は毎年引き上げられている。

年金支給年齢を引き上げれば、高齢者の受給者数が減る分、現役世代の保険料負担を抑えることができる。ただ、受給対象から外れる高齢者にとっては社会保障サービスの低下につながる面もある。

政府は現行の高年齢者雇用安定法に基づき、65歳まで高齢者が働ける制度を設けるよう企業に求めている。支給開始年齢を引き上げれば、企業にとっては高齢者雇用の負担が増え、かえって若年者の雇用を減らす可能性もある。

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