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輸出3カ月ぶり減少、10月 欧州危機・タイ洪水響く

東日本大震災後の落ち込みから持ち直し傾向にあった輸出が足踏みしている。財務省が21日発表した10月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額は前年同月比3.7%減の5兆5128億円となり、3カ月ぶりにマイナスに転じた。欧州危機の影響で欧州連合(EU)や米国、アジア向けが軒並み減少した。洪水の影響でタイ向けが同5.1%減となるなど海外需要は徐々に縮小している。歴史的な円高や企業の海外生産シフトもあり、輸出は伸び悩みが続きそうだ。

10月の輸出額は季節調整済みの前月比でも3.5%減となった。前月水準を下回ったのは震災直後の4月以来、半年ぶり。財務省は「欧州債務問題による世界経済の減速や、円高に伴う海外生産シフトなど輸出の動向を注視していく」(関税局)としている。

10月の輸出額は数量ベースでは前年同月比4.0%減。輸出の足踏みは輸出価格を押し下げる円高よりも、海外需要そのものが落ち込んだ影響が大きい。

地域別にみると、米国、EU、アジア向けがいずれも減少に転じた。欧州危機に直面するEU向けは同2.9%減少。輸出額から輸入額を差し引いた貿易黒字は1002億円と、10月としては1979年以来の最低水準を記録した。米国向けも同2.3%減った。

アジア向けは半導体や船舶を中心に同6.6%減少した。大洪水で生産活動が止まったタイ向けは5.1%減。9月の16.1%増から落ち込んだ。半導体など電子部品の輸出が約4割減った一方、タイからのパソコン輸入も2割減となった。財務省は「11月は洪水の影響がさらに拡大した可能性がある」とみている。

品目別では、一般機械や電気機器を中心に減少が目立った。半導体など電子部品は世界的なIT(情報技術)市況の不調から2割減。船舶も3割減と減少基調が続いており、世界的な荷動きの停滞を反映している可能性もある。海外市場の在庫積み増しを急ぐ自動車は6.1%増加した。

10月の貿易収支は2738億円の赤字で、2カ月ぶりの赤字となった。輸出の減少に対し、輸入額が17.9%増と大幅に増加したのが主因。原子力発電所の停止に伴う火力発電用の液化天然ガス(LNG)の需要が高まっているほか、原油価格の高止まりも輸入金額を押し上げた。

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