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原発使用済み燃料の処分地、国主導で選定

原子力発電所から出る「核のゴミ」処理を巡り国が処分地の選定を主導する。経済産業省は20日、高レベル放射性廃棄物の最終処分場に関する報告案をまとめ、国が適地を絞り込んで処分地の候補を示す方針を盛り込んだ。地中深くに埋める地層処分が「現時点で最も有望」との見解も示した。ほとんど手つかずだった処分場の選定作業がようやく動き出す。

有識者を集めた放射性廃棄物の作業部会で増田寛也委員長(元総務相)は「住民の合意形成や地域支援策で国が前面にたっていく」と述べ、中間報告案を説明した。内容は経産省が年内の作成を目指すエネルギー基本計画に反映する。

報告案は将来の世代に負担を残さない処分法を求めつつ「現時点では地層処分が科学的に最も有望」との判断を示した。技術の進歩でより有効な方法が見つかった場合を想定し、掘り出して処理し直す仕組みも促した。

処分場を受け入れる自治体への配慮も示した。候補地を科学的に絞り、首長が住民に説明しやすくする狙いだ。地下水や地震、地質など8学会のメンバーが東日本大震災などの最新の情報を踏まえ地層の安全性を検証。その上で火山や活断層がなく、地層の安定している場所を示す。

受け入れを前提としない住民説明会も検討。拒絶反応を和らげ、最終処分場の重要性を国民に説得する機会にする。受け入れた地域には国と自治体が支援策をとる。処分場を選定するメドは示していない。

経産省は実地調査や住民向けの説明会を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)の組織の見直しも来月から着手する。NUMOには透明性が低く、都合のいい情報だけを提供しているとの批判があった。

国内原発の使用済み核燃料は1万7千トンあり、その再処理で高レベル放射性廃棄物が発生するのに処分場は1つもない。2002年から公募を始めたものの、調査にすら入れていない。小泉純一郎元首相は「最終処分場のメドをつけられると思う方が楽観的で無責任だ」と批判している。

自民党内でも若手議員らに小泉元首相に同調する動きがある一方、原発の再稼働に積極的な議員でつくる「電力安定供給推進議員連盟」は近く最終処分場の議論を始める。連盟の会長を務める細田博之幹事長代行は「元首相は最終処分は夢のまた夢で到底できないと言っているが誤解だ」と強調。処分場の整備を急いで原発廃止論の拡大を防ぐ構えを示している。

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