損保、14年秋も保険料上げ 自動車12年ぶり高水準

2014/5/21付
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家庭や企業の損害保険料の負担が増えそうだ。大手損害保険3グループは20日、今秋までに自動車保険料を引き上げる方針を正式に表明した。消費者の平均保険料は12年ぶりの高水準となる。企業向けの地震保険や家庭向けの火災保険も値上げが見込まれている。大手損保は同日発表した2014年3月期決算で増益となっており、収益確保と契約者への利益還元の両立が課題となる。

大手3グループは13年度も自動車保険料を上げており、2年連続で全社が値上げすることになる。消費増税で修理費や代理店に支払う手数料が増える一方、契約者からの保険料は非課税なので、収支を圧迫するからだ。

平均2.5%引き上げるNKSJホールディングス(HD)の辻伸治副社長は「消費増税(による修理費の上昇など)で収益が330億円押し下げられる」と保険料への転嫁に理解を求めた。

大手損保が主力の自動車保険の値上げを始めたのは08年。1998年の保険料自由化以降に繰り広げた値下げ競争と、保険金の支払い増加で赤字に陥ったためだ。10年連続で下がっていた契約者が支払う平均保険料は09年度から上昇に転じ、14年度は年間8万円程度に達する見通し。自由化で下がった保険料分の半分が帳消しになった計算だ。

今後さらに保険料が上がる懸念もある。東京海上ホールディングスの藤田裕一常務は「保険金の単価がさらに上がると見込んでいるが、今回の値上げには勘案していない」と説明した。割安を売り物とするネット大手のソニー損害保険もここ数年は値上げを繰り返している。

自動車と同様に加入者の多い個人向けの火災保険も15年度に3~5%程度保険料が上がる見通し。建物の老朽化で保険金支払いが増えていることなどが理由だ。東京海上日動火災保険などは企業向け地震保険の保険料も7月から引き上げる。

ただ、これまで実質赤字だった国内損保事業も14年3月期は軒並み改善し、利益が出せる体質に変わってきている。今秋の値上げ幅はばらつきが出ており、今後は横並びの値上げが崩れる可能性がある。東京海上HD、MS&ADインシュアランスグループHDは14年3月期と15年3月期の株主配当を増やす方針。株主と消費者への利益還元のバランスが問われそうだ。

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