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個人消費の判断引き上げ 6月の月例経済報告、5カ月ぶり

政府は20日公表した6月の月例経済報告で、個人消費の判断を5カ月ぶりに引き上げた。4月の消費増税で落ちた店頭での販売が持ち直してきたためだ。同日発表された5月の全国食品スーパー売上高は前年同月と同じ水準に戻った。ただ、内閣府は自動車の売れ行きは回復が鈍いと見る。物価上昇に伴う賃金の目減りが先行きの消費を鈍らせるとの見方もある。

6月の月例報告は景気は緩やかな回復基調にあるとの判断を据え置きつつ、個人消費は「引き続き弱めだが、一部に持ち直しの動きもみられる」とした。5月に「消費増税に伴う駆け込み需要の反動で、このところ弱い動きとなっている」としたことと比べると、消費に上向きの動きが出てきたとの見方だ。

5月前年並みに

日本スーパーマーケット協会など3団体が20日発表した5月の全国食品スーパー売上高(既存店)は7768億円と前年同月比の増減率が0.0%だった。4月は3.6%減っていた。5月は2.9%増の総菜など買いだめがきかない商品の回復が目立つ。内閣府によるとスーパーで生鮮食品を除く飲食料品の売上高は4月に前年を9.5%下回ったが、6月上旬には3.9%減まで減少率が縮まった。

日本フランチャイズチェーン協会が発表した5月の全国コンビニエンスストアの既存店売上高は前年同月比0.8%減の7393億円だった。3月までにたばこの買いだめがあったためまだ前年割れだが、入れたてコーヒーや冷やし麺などが好調で前年並みの売り上げに戻ってきた。

駆け込み需要の反動や現在の回復度合いについて、政府は「想定の範囲内」としている。先行きについても民間エコノミストには「天候に左右される面もあるが、これからボーナスが増えた効果も出てくるため回復は続く」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所の嶋中雄二所長)との声がある。

ただ、増税直後の落ち込みから十分に回復したとはまだ言い難い。新車販売台数の前年同期比の減少率は4月から5月にかけて縮まったが、3月までに受注したクルマが4月以降の販売に入っていることが大きい。内閣府によると、その影響は徐々になくなっており、販売店では足元の新規受注が1~2割減っているという。

増税判断に影響

シティグループ証券の飯塚尚己エコノミストは「所得の上昇よりも物価の上昇が大きく消費者の購買力は奪われている。元に戻るには時間がかかるだろう」と指摘する。20日の関係閣僚会議後に記者会見した甘利明経済財政・再生相も「日本経済がいつ成長軌道に戻るかはまだ注視しないといけない」と慎重な姿勢を見せた。

年末には安倍晋三首相が消費税率の再引き上げについて是非を判断する。個人消費がこのまま順調に持ち直し、景気回復が途切れずに続くかどうかは、消費税率の再引き上げの是非を巡る判断に大きな影響を与える。

▼月例経済報告 景気に関する政府の公式見解をまとめた報告書。毎月、内閣府が作成する。景気全体を総括する「基調判断」を「緩やかに回復している」「弱含んでいる」といった表現で示している。個人消費や設備投資、雇用情勢、消費者物価といった主な項目についても同様にそれぞれ判断を示している。表現の変化が景気の変動を表すものとして注目されている。

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