規制 岩盤を崩す 第1部

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改革阻む牛歩、したフリ、骨抜き
第1回

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2013/4/3 2:00
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規制緩和が流行語大賞になったのが1993年。呼び名が規制改革と変わっても、規制を正せとの声は変わらない。解せない規制はあちこちに残る。改革反対と粘る人たちは多い。安倍晋三政権は成長戦略の一丁目一番地に据える。かけ声倒れはもうたくさんだ。

改革の綱引きはいつまで?

■判決でも覆らず

最高裁の判決が出たのに「勝負あった」とならない。政府の規制改革会議がまず直面したのは、インターネットでの医薬品販売の解禁問題だ。

3月、解禁に反対する議員の集まりをのぞいて驚いた。「国民の命よりカネが大事な人間の集まり」。元厚生労働相の尾辻秀久参院議員が改革会議を強い口調で糾弾していた。

厚労省は省令で副作用のリスクが高い一般用医薬品のネット販売を禁じているが、1月、最高裁は「一律規制は違法」とする判決を出した。改革会議の岡素之議長(住友商事相談役)は全面解禁を求めている。

尾辻氏が率いる議員連盟はネット販売を制限する法案を今国会に出す構え。安倍首相はネット販売の新たなルールを早急につくるよう関係閣僚に指示したが、全面解禁に反対する意見は厚労省内にも根強い。

安倍政権の改革会議で議長代理に就いた大田弘子氏(元経済財政相)は省庁と関連業界がそろって強く反対し、長年解決しない規制をこう呼んでいる――。「岩盤規制」

昔の資料と見比べるとよくわかる。保育所の基準見直し、解雇規制の明確化、保険診療と保険外診療を併用する混合診療の導入……。どれも2001年に当時の総合規制改革会議が答申に盛ったテーマだ。それから12年。今の改革会議が公表した検討項目に同じ宿題がずらりと並ぶ。

こんどこそ前に進むにはどうしたらいいだろう。まずは官僚や族議員の典型的な行動パターンを勉強することにした。

最初は「牛歩戦術」。改革には着手するが、速やかに動いたりはしない。激変緩和の名前で先送りする。一般企業の農業参入はまさに牛の歩み。03年、企業への農地の貸し出しを特区に限り認め、05年に市町村の指定区域なら特区でなくても借りられるようにした。

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動き始めた規制改革論議


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この記事へのコメント
  • JSさん (2013/4/3)
    「改革阻む牛歩、したフリ、骨抜き」への投稿

     よくまとまったリポートである。規制問題に限らない。地方自治体の長の政策も、これが行われている。住民の意見としての提言も、正しいかどうかよりも、面倒か否かが第一判定関門である。次に、それが選挙の票に結び付くかどうかである。この3つがそのまま、その自治体の対応になる。まず遅々として実行しない。次に「したフリ」 である。「検討する」「対応策を研究する」などと答えておいて放置する。最後は「骨抜き」である。最近問題が拡大しているゴミ屋敷問題などがその典型だ。「ゴミ屋敷の住人も市民の一人である」などの建前で逃げる。

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  • 山椒さん (2013/4/3)
    「改革阻む牛歩、したフリ、骨抜き」への投稿

    よい記事です。日経もこういう論調で世直しをリードしてほしい。

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