中国強硬 政府「長期化」も視野に対応策
尖閣沖衝突 11月APECまで駆け引きも

2010/9/21付
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日本政府は尖閣諸島沖の衝突事件で、中国側が今後、取る可能性がある対抗措置を想定し、対応策の検討に入った。中国を訪れるビジネスマンへのビザ(査証)発給差し止めや、東シナ海のガス田「白樺」(中国名・春暁)の掘削開始などがあり得るとみている。11月下旬に横浜で開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議までの長期戦を視野に、中国側の出方を注視している。

日本政府にとって中国の態度が強硬になるのは「想定の範囲内」でもある。戴秉国(たい・へいこく)国務委員が丹羽宇一郎駐中国大使を呼び出し、抗議したことも「中国外務省ではなく、国家主席レベルが指揮する問題になっている」と分析している。

海上保安庁が逮捕した中国人船長の拘置期限は29日で、日本政府関係者は「これからも手持ちのカードを一枚ずつ切ってくるのではないか」とみる。

今後の対抗措置で想定されるのは「ガス田の掘削」「日本漁船の拿捕(だほ)」「経済界への揺さぶり」などだ。首脳外交では、10月にハノイで開く東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の一連の会合で予定している日中韓首脳会談の中止を通告してくる事態もあり得る。

日本政府は「国内法に基づき、粛々と対応する」との立場を堅持している。日本側から態度を硬化させることはしない方針だ。

節目として意識しているのが、胡錦濤国家主席の来日が予定されている横浜でのAPEC首脳会議だ。胡主席が来日を取りやめるようだと、日中関係が極度に冷え込むのは避けられない。政府筋は「国際会議の欠席は中国にとっても利益にならない」と、駆け引きはAPEC前までが視野に入ると指摘する。

今回の中国側の出方には、改造内閣を発足させたばかりの菅直人政権を試す狙いもあるとみられる。米軍普天間基地問題の迷走で日米同盟も影響を受けた。立て直しへの日米首脳会談は間近に迫っている。それだけに首相官邸は神経をとがらせており、前原誠司外相と発言や反応を擦り合わせている。

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