2019年3月20日(水)

5月の貿易収支、過去2番目の赤字 輸出10%減と低迷
震災で車や半導体落ち込む

2011/6/20付
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財務省が20日発表した5月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出は4兆7608億円となり、前年同月比10.3%減少した。4月(12.4%減)より落ち込み幅は縮小したが、東日本大震災の影響で自動車や半導体などの低迷が続いている。火力発電用の燃料の輸入増もあり、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は8537億円の赤字と、過去2番目の赤字を記録した。

輸出の減少は3カ月連続。震災によるサプライチェーン(供給網)の寸断で減産に追い込まれた自動車は38.9%減。米国向けの大型車や中国向けの中型車などが減少した。自動車部品も18.5%減り、自動車と同部品で輸出全体の減少の半分以上を占めた。

半導体など電子部品も18.5%減。パソコンなどに使う半導体メモリーのDRAMがシンガポール向けを中心に落ち込んだほか、台湾向け集積回路が減少した。

地域別では米国向けが14.6%減少。欧州連合(EU)向けも8.8%、アジア向けも8.7%それぞれ減った。

5月の貿易統計
(単位億円、カッコ内は前年同月比増減率%、▲は減少または赤字、アジアには中国を含む)
輸出額輸入額貿易収支
総額47,608

(▲10.3)

56,145

(12.3)

▲8,537

(-)

米国6,453

(▲14.6)

5,414

(4.2)

1,039

(▲56.0)

EU5,616

(▲8.8)

5,326

(8.9)

290

(▲77.1)

アジア27,587

(▲8.7)

24,500

(8.7)

3,086

(▲59.8)

中国9,382

(▲8.1)

11,529

(6.6)

▲2,147

(-)

供給網の復旧前倒しで生産は最悪期を脱しつつある。これを受け、5月の輸出は季節調整済みの前月比では2.5%増と3カ月ぶりに増加に転じた。先行きは夏の電力制約や海外経済の減速などリスクもあるが、「供給網が想定通りに復旧すれば、輸出は10~12月期に震災前の水準に回復する」(農林中金総合研究所の南武志主任研究員)との見方もある。

一方、輸入は5兆6145億円で、前年同月比12.3%増加した。増加は17カ月連続。原子力発電所の事故を受けて火力発電へのシフトが進んだ結果、石油など化石燃料の需要が増加。原粗油は30.7%、液化天然ガス(LNG)は33.0%それぞれ増えた。原油相場などの上昇に加え、数量面での増加も輸入金額を押し上げた。

輸出から輸入を差し引いた貿易収支は、リーマン・ショックを受けて世界的に需要が落ち込んだ2009年1月(9679億円)以来の赤字幅となった。貿易収支の2カ月連続の赤字は、08年10月~09年1月の4カ月連続以来となる。

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