2019年2月19日(火)

欧州危機、打つ手乏しいG20 ユーロ圏は足並み乱れ

2012/6/20付
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【ロスカボス(メキシコ)=赤川省吾】日米欧と新興国で構成する20カ国・地域(G20)首脳会議が19日、債務危機対策で「ユーロ圏があらゆる政策措置をとる」との首脳宣言を採択して閉幕した。欧州危機に打つ手が乏しいG20は、金融市場の安定策を欧州に任せた。だが、ユーロ圏では欧州統合をどう進めるかを巡って足並みが乱れている。不信感を強める市場と欧州の攻防に世界が振り回される構図が続く。

今回のG20会議では「成長」「財政再建」と「金融安定」の3つの課題に同時に取り組むことで各国首脳が認識を共有した。財政再建を最優先するこれまでの路線から世界経済の減速懸念に備える形となった。

最大の焦点だった欧州債務問題ではほとんど進展がなかった。「欧州の回復に向けたタネがまかれた」と19日の会議後に国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は発言した。オバマ米大統領は「市場の熱を冷ます」と述べ、会議の成果を強調した。

だが、実際に首脳宣言に盛り込まれたのは「(ユーロ圏が)銀行監督の一元化に向けた検討」などの表現だけ。具体性を欠き、信用不安の払拭には力不足だ。

今回のG20会議では域外からの介入をできる限り避けようと腐心する欧州勢と、迅速行動を求めて欧州包囲網を敷いた日米や新興国がせめぎあった。「(危機対策は)ほかから指示される筋合いのものではない」とオランド仏大統領が言い放つ一方、野田佳彦首相は「欧州情勢は一刻の猶予も許されない」と迫った。

「成長を促す」という首脳宣言の解釈を巡っても欧州と、ほかの参加国とのズレが垣間見えた。メルケル独首相は19日、記者団に「景気対策はやらないということで合意した」と発言した。「成長に向けて行動」と語るオバマ大統領との温度差が鮮明になった。

だが、経済のグローバル化で欧州の債務危機は、ユーロ圏だけの問題ではなくなっている。銀行不安を抱えるスペインの10年物の国債利回りは「危機ライン」とされる7%を超える。いまから30年前の1980年代初頭に起きたスペインの銀行危機は欧州でも注目されなかったが、いまは世界の金融市場を揺らす。

G20で債務危機対策の実質的な議論を避けた欧州勢は、6月末の欧州連合(EU)の首脳会議で統合加速を議論する。カナダのハーパー首相は「(欧州が公約を)守るかどうか注視しなくてはならない」と語った。

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