成長戦略、医療・女性を軸に 2年で20万人の保育整備

2013/4/19付
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安倍晋三首相は19日、日本記者クラブで記者会見し、6月にまとめる成長戦略の第1弾を発表した。女性の活躍を成長戦略の中核と位置づけ、今年度から2年間で新たに20万人、5年間で40万人を保育する環境を整えて待機児童解消を目指す。ロシアや中東に先端医療センターを設けるなど医療を成長産業に育てる。金融緩和、財政出動、成長戦略の「3本の矢」で早期のデフレ脱却をめざす。

首相は成長戦略のキーワードに「挑戦、海外展開、創造」をあげた。今回は人材活用と医療に絞り、5月以降に農業の規制緩和などを加える。首相は足元の景況感が改善したとの認識を示し、成長戦略で「明るい兆しをさらに力強く、持続的なものとする」と訴えた。

首相は「女性の活躍は成長戦略の中核をなす」との考えを表明した。日本では働く女性の約6割が第1子の出産を機に離職する。20歳代後半から30歳代の女性の就業率が低い状態を改善できれば、国内総生産(GDP)の押し上げにつながる。

厚生労働省によると、認可保育所に入所を申請しているにもかかわらず入れない待機児童は昨年10月時点で約4万6千人。保育所不足で就業をあきらめる例を考えると、潜在的な待機児童は数十万人に上るといわれる。

2年間を待機児童解消の「緊急集中取組期間」とし、意欲的な地方自治体の取り組みを支援。都市部の保育施設の用地不足に対応するため賃貸方式や国有地の活用を促したり、事業所内に保育施設を設ける企業への助成要件を緩めたりする。

首相は同日、経団連の米倉弘昌会長らに育児休業期間を子どもが3歳になるまで延長するよう求めた。出産後の職場復帰策に取り組む企業を助成金や税制優遇で支援する仕組みを検討する。

首相は「国際医療協力を新たな成長の種としていく」とも語った。大型連休中に予定するアラブ首長国連邦(UAE)訪問の際、アブダビに「日本UAE先端医療センター」の設置で合意するとの見通しを表明。同時期に訪れる予定のロシアでも粒子線治療施設の建設の協力が進む。官民が共同で医療関連の機器やサービスを海外に売り込む新組織も設ける。

iPS細胞を使った再生医療や創薬に関しては「日本は研究で世界一だが、実用化で大きく出遅れている」と指摘。製品の承認を大幅に短縮する薬事法改正案を今国会に提出し、医療機器の承認にかかる審査期間を短縮する。研究から実用化まで官民一体の体制を築くため、米国の国立衛生研究所をモデルにした「日本版NIH」を創設する方針も示した。

労働力を製造業から医療・介護サービスといった成長産業に移行させる施策にも取り組む。従業員の再就職支援策を実施する企業への助成金を拡充。働いたことがない若者やフリーターを試験的に採用する企業への支援も充実させる。

大学生を学業に集中させたり、海外留学の妨げにならないようにしたりするため、就職活動の解禁時期を大学4年生になる直前の「3年生の3月」に遅らせるべきだとの認識も表明した。

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