大連立打診、政府・民主に沈静化の動き 党内外から反発
岡田克也副総理が自民党幹部に民主党との大連立を打診したことを巡り、政府・民主党内から事態の沈静化を目指す動きが出始めた。
藤村修官房長官は19日の記者会見で大連立について「そんなことは多分不可能だ」と指摘。城島光力国会対策委員長も「大連立を申し入れたとは聞いていない」と語った。しかけ人である副総理は自らのブログで「国民感情を考えれば、今の段階で簡単に実現するはずがない」として、状況が厳しいことを認めた。
背景には民主党内の反発がある。大連立で消費増税などの懸案を解決しようという姿勢は、増税に慎重な小沢一郎元代表や元代表を支持するグループを排除する意図を連想させるからだ。消費増税関連法案の国会提出を控え、党内の結束が求められている時期だけに輿石東幹事長も「党内で議論をしていない」と不満を隠さない。
肝心の自民党側は衆院解散を求めて大連立にけんもほろろな態度を示している。ただ、首相自身が大連立をあきらめている様子でもない。18日に首相公邸で会談した民主党の仙谷由人政調会長代行には、自民党との連立交渉を「当たり前ではないか」と語った。副総理もブログで「大連立は将来的には選択肢だ」とも指摘している。