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「紹介状なし」初診の負担増へ 大病院への集中緩和

診療報酬改定の骨子

厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)は18日、2012年度の診療報酬改定の骨子をまとめた。大病院への患者の集中を緩和するため、紹介状なしで受診した場合、患者が払う初診料が実質的に上がる仕組みにする。病院の規模に応じた役割分担を明確にし、勤務医の負担を軽くする狙い。焦点だった診療所の再診料の引き上げは結論を先送りした。

診療報酬は健康保険などが支払う医療費の単価で、診察料の公定価格を示す。2年に1度改定する。政府は12年度予算案で薬剤費などを除く診療報酬本体を約5500億円増やすことを決めている。中医協は2月半ばまでに、この枠内での報酬の配分案をまとめる。

骨子は、患者が紹介状なしで大病院にかかった場合に病院が受け取る初診時の単価(保険給付と患者負担の合計)を現在の2700円から大幅に下げる方針を明記した。病院は保険給付が減る分を患者から徴収するようになるため、患者の負担は実質的に増える。

対象となる大病院の範囲は今後詰める。初診時の保険給付がゼロになると、これまで自己負担3割の810円で大病院を受診できた患者は、2700円全額を負担しなければ受診できなくなる可能性がある。

現在でも、紹介状のない患者に病院が追加負担を請求できる制度(保険外併用療養費)があり、200床以上の大病院の一部が数千円規模の追加料金を徴収している。ただ、すべての病院が追加負担を請求しているわけではない。紹介状作成に費用がかかることもあり、人気のある大病院では追加負担を払っても受診しようとする患者が絶えない。

このため、患者負担を一段と増やす措置に踏み切ることにした。背景には、緊急性や必要性が乏しいのに大病院を受診する患者の医療費を、健康保険で負担するのはおかしいとの考えがある。

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