貿易黒字2カ月連続 7月輸出3.3%減、車は回復

2011/8/18付
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財務省が18日発表した7月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額は5兆7819億円となり、前年同月比3.3%減少した。マイナス幅は6月の1.6%減から拡大した。サプライチェーン(供給網)の復旧で自動車などは持ち直したが、月によって振れが大きい船舶の減少などが響いた。今後、節電に伴う生産減や海外経済の減速が輸出の回復を鈍らせる可能性もある。

2011年7月の貿易統計
輸出額輸入額貿易収支
総 額57,819
(▲3.3)
57,094
(9.9)
725
(▲90.8)
米 国8,925
(▲8.2)
4,742
(▲5.3)
4,183
(▲11.4)
E U6,707
(6.0)
5,385
(7.7)
1,322
(▲0.2)
アジア32,499
(▲2.7)
25,612
(8.5)
6,886
(▲29.8)
中 国11,454
(▲1.0)
12,184
(6.7)
▲730
(―)

単位億円、カッコ内は前年同月比増減率%、▲は減少または赤字、アジアには中国を含む

輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は725億円の黒字となった。東日本大震災の影響で4~5月は赤字だったが、6月からは黒字が続いている。

輸出の主力である自動車は回復が続いた。7月は前年比4%減で、6月の13%減からマイナス幅が縮まった。自動車メーカーが海外市場の在庫を積み増す動きも、輸出を押し上げた。米国や中国向けの工作機械が堅調な金属加工機械は4割近く伸びた。ただ、1隻あたりの単価が高い船舶が31%減となり、スポット契約が多い軽油も増加幅が縮小したため、全体のマイナス幅が拡大した。

7月の輸出額は季節調整済み前月比では0.8%増となった。財務省は輸出の持ち直しは続いているとみているが、夏場の節電に伴う生産減少や海外経済の減速、円高で8月以降は輸出が足踏み状態になる恐れもある。

世界的なIT(情報技術)市況の不調を受け、半導体など電子部品はなお回復の兆しが見えていない。農林中金総合研究所の南武志主任研究員は「世界経済の減速傾向が輸出の伸びを抑制した可能性がある」と指摘している。

一方、7月の輸入額は前年比9.9%増となった。原子力発電所の運転停止の影響で、引き続き火力発電用の液化天然ガス(LNG)需要が増加しているためだ。

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