少子高齢化、日本が突出 外国人流出が経営に影

2012/4/17付
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総務省が17日発表した人口推計は、国際的にも突出した少子高齢化が日本経済の重荷になる点を浮き彫りにした。団塊世代の引退で今年から15~64歳の生産年齢人口は減少ピッチを速める。外国人の流出も過去最多となり、企業は労働力をどう確保するかという課題に直面する。人口増を前提に設計していた社会保障制度や都市計画は見直しを迫られる。

■世界でもっとも高齢化が進行

日本は総人口に占める65歳以上の割合が23%と世界で最も高齢化が進んでいる。中国やインドなどアジアの新興国は10%未満、欧州でも15~20%だ。

今後は約700万人いる1947~49年生まれの団塊世代が年金を受け取る65歳に達し、高齢者人口は一段と増加。高齢化で膨らむ社会保障の支出をどう抑えるかが大きな課題となる。BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「年金の支給開始年齢の引き上げや医療費削減に踏み切るべきだ」と指摘する。

人口の減少で、国内消費のパイは縮小する。百貨店や自動車の売り上げ基調は前年割れ。日本総研の湯元健治理事は「非製造業も海外展開を考えないと生き残れない時代に入った」と指摘する。

■外国人の流出、過去最多

国境を越える人の移動を示す社会増減をみると、外国人は過去最大の5万1千人の流出だった。昨年3月の東日本大震災や福島第1原子力発電所事故で、日本を離れる外国人が増えた。

法務省の出入国管理統計によると、外国人の入国者数は震災直前の昨年2月の74万9千人から3月に42万2千人に減った。特に減ったのがアジアからの入国者で、3月は2月と比べほぼ半減した。2011年の外国人入国者数は前年比24.4%減の713万5千人(速報値)だった。

新たな働き手と期待された外国人の流出は、企業経営にもじわりと影を落としている。ラーメンチェーン「日高屋」のハイデイ日高では震災後、約1500人の外国人従業員が母国へ帰国し、一部の店舗では営業時間の短縮を余儀なくされた。

吉野家ホールディングスでも震災直後、中国人を中心に約200人の従業員が退職した。首都圏の店舗では店員を配置換えしたり、日本人従業員を新たに採用したりする対応を迫られている。

■福島・千葉は社会減少大きく

人口の増減を都道府県別にみると、震災や原発事故が大きく影響した。福島県や千葉県などは転出が転入を上回る社会減少で人口が減った。47都道府県で下落率が最大だった福島県は原発事故の影響で県外に避難した人が多い。県の調べでは、乳幼児や20~40歳代の母親が多く減っている。

戦後初めて人口が減少に転じた千葉県は「液状化被害や(放射性物質の濃度が局所的に高い)ホットスポットによるイメージ悪化が大きい」(政策企画課)という。

一方で震災や原発事故に伴い「東から西」に移住する人が増え、大阪府や福岡県は社会増となった。福岡県は進学や就労目的の九州域内からの転入者が増えているうえ「震災の影響を避けて関東や東北からの移住者が相次いだ」(県調査統計課)と分析。大阪府は39年ぶりに社会増加に転じたものの、死亡者数が出生者数を上回る自然減少で、人口全体は減った。

被災県では福島県が除染の徹底や産業の再興を図るなど、県外に避難している人が県内に戻れるよう対策を立てている。

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