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都市部で高齢化加速、利便性求め集中 人口推計

総務省が16日発表した人口推計で、65歳以上の伸び率が埼玉県や千葉県で5%前後に達し、都市部で高齢化が加速していることが明らかとなった。都市部に住む団塊の世代が65歳以上の「老年人口」の仲間入りをし始めたためだ。都市のシニア層を狙う民間企業には商機が広がる一方、老後を支える医療や介護サービスはなお整備途上にある。

首都圏や関西圏などの都府県では老年人口の前年比増加率が軒並み全国平均の3.5%を上回った。最も高いのが5.2%の埼玉県で、4.9%の千葉県、以下神奈川県(4.4%)、大阪府(4.3%)、愛知県や京都府(4.0%)、東京都(3.6%)と続く。

都市の急激な高齢化は2012年から65歳以上に入り始めた1947~49年生まれの団塊世代が首都圏や関西圏に多いのが主因だ。14年までは老年人口の急速な伸びが続くということになる。高度成長を支えた団塊が年金を受け取るようになり、シニア層は民間企業にとって有力なターゲットとなる。

コンビニエンスストア最大手セブン―イレブン・ジャパンはプライベートブランド(PB=自主企画)の総菜で「さばの味噌煮」などシニア好みの和食を充実させ、13年2月期のPBの1人前総菜売上高が7割伸びた。

スーパー各社もシニアの利用を想定し、生鮮品を重視した小型スーパーの出店を強化。イオンは都市型小型スーパー「まいばすけっと」を300店超展開しており、13年度末までに500店に増やす計画だ。

一方、老年人口が都市に集中すればするほど、医療や介護サービスの不足感は強まりそうだ。

例えば介護では、厚生労働省の10年度の調べで特別養護老人ホームの入所申込者数は定員に対し平均3.4倍。特に都市部では用地も乏しく施設不足が慢性化している。人手も足りず、介護関連の有効求人倍率は1倍後半で高止まりしている。厚労省は介護職員として、25年時点で12年の1.6倍の240万人前後が必要と推計する。

総人口に占める65歳以上の割合は24.1%に達し、米国、英国、中国のそれぞれ13.3%、16.4%、9.4%を大きく上回る。日本は主要国で最も高齢化率が高くなった。年少者(0~14歳)の割合は13.0%で、こちらは主要国で最低だ。

世界も経験したことがない急速な高齢化は、社会保障体制の抜本的な見直しを迫る。厚労省は介護や医療サービスを地域で一括して提供する「地域包括ケアシステム」の構築を掲げ、12年から24時間対応の訪問サービスを創設するなどしているが、高齢化のスピードには追いついていない。

社会保障制度への不安が残れば、シニアの消費意欲も鈍る。働き盛り世代の負担に依存する高齢者医療や介護の財源のあり方を見直すことも含め、安倍政権には大胆な制度改革が求められる。

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