2019年7月16日(火)

電力、化石燃料への依存88%に エネルギー白書

2014/6/17付
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政府は17日、2013年度のエネルギー白書を閣議決定した。電源に占める化石燃料(天然ガス、石炭、石油)の比率が第1次石油危機の起きた1973年度の80%を2年連続で上回っていると指摘。13年度は88.33%と2年連続で過去最高を更新した。日本は危機後に石油備蓄や原子力発電などでエネルギー安全保障を強めてきたが、原発の稼働停止で40年前より化石燃料への依存が強まっている現状が浮き彫りとなった。

電源に占める化石燃料の比率は東日本大震災が発生した10年度には62%だった。原発停止による電力供給の減少は火力発電が補った。13年度の電源構成は天然ガスが43%(10年度比14ポイント上昇)、石炭が30%(同5ポイント上昇)、石油が15%(同7ポイント上昇)だった。

化石燃料の輸入拡大により、エネルギー源をどれだけ自前で調達できたかを示す「エネルギー自給率」は12年に6%と、10年の20%から大幅に低下した。石油危機が起きた73年の9%も下回っている。12年の自給率は経済協力開発機構(OECD)の加盟34カ国のうち、ルクセンブルクに次いで低く、先進国の中でも低さが際立っている。

13年に石油製品を含む化石燃料を輸入した額は27兆円と10年比で10兆円増えた。円安が進んだ08年(28兆円)並みの水準だ。燃料費の増加について、経済産業省は円安、液化天然ガス(LNG)価格の上昇のほか、原発停止による影響が3.6兆円あると分析した。

エネルギーの中東依存も深まっている。発電に最も多く使われているLNGは中東への依存度が13年は30%と、10年の23%から拡大した。

経済全体への影響も大きい。燃料輸入額の増加などを背景に、日本は11年に2.6兆円の貿易赤字に転落。赤字額は13年に11.5兆円まで広がった。白書は化石燃料への依存拡大が「国富の流出と供給不安の拡大」を生んでいると指摘した。

化石燃料への依存が消費者に最も影響するのが電気料金の上昇だ。震災後に全国10電力会社のうち、7電力が家庭向けの規制料金を3.77~9.75%上げた。毎月の燃料費の変動分を含んだ一般家庭の電気代は、10年度から13年度にかけて19.4%上昇。値上げ幅が大きい企業向けの料金は同28.4%上がった。

化石燃料を燃やすと二酸化炭素(CO2)が大量に出る。CO2をはじめとする温暖化ガスの総排出量は12年度に13億4300万トンと、10年度比で6.9%増えた。総排出量の3割超を占める電力会社の排出が30%増えたためだ。

日本は昨年11月に温暖化ガスを20年までに05年比で3.8%減らす目標を掲げた。12年の排出量は05年比でほぼ横ばいにとどまる。13年度版の白書では原発の稼働停止がマクロ経済や環境問題にも影響する構図も明らかになった。

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