2019年2月17日(日)

膨らむ医療費、総額も伸び率も最高に
09年度、3.5%増の35兆円 高齢者増加で

2010/8/16付
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厚生労働省は16日、2009年度の概算の医療費が前年度比3.5%増の35兆3000億円になったと発表した。統計でさかのぼれる01年度以降、医療費の水準、伸び率ともに最高となった。高齢者の増加や医療技術の進歩で費用の高い高度医療を受ける人が増えたことが主な要因。同省は13年度に新しい高齢者医療制度を導入する予定だが、医療費がさらに増える状況に備えた制度設計が求められる。

概算医療費は国民医療費から全額自己負担の医療や労災医療費などを除いた金額で、国民医療費の98%程度とされる。国民医療費より約1年早く発表され、速報値の役割がある。

09年度の概算医療費は前年度に比べて1兆2000億円増えた。特に75歳以上の医療費が前年度比6000億円増の12兆円と増加分の半分を占めた。医療費は会社員や自営業者が払う保険料で約半分、税金で4割弱、患者が医療機関の窓口で支払う負担で1割強を支えている。医療費が増えればこれらの負担も連動して膨らむ。

医療と介護の連携強化や価格の安い後発医薬品の普及などで医療費の抑制を進めるべきだとの指摘は強い。山口県立大学社会福祉学部の田中耕太郎教授は「医療費の負担増を支えるため、働き手の賃金が増えていく経済成長が欠かせない」と話す。保険料の増加以上に賃金が増えれば家計の負担を抑えられるためだ。

政府は社会保障費の財政負担分は毎年1兆円以上膨らむとみているが、今回の医療費の増加分は「想定の範囲内」(厚労省)と分析している。

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