相続税、控除額が4割減 - 日本経済新聞
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相続税、控除額が4割減

2011年度税制改正大綱は相続税について、2600億円超の増税を富裕層に求めた。遺産から差し引いて税負担を軽減できる基礎控除の額を4割削減。最高税率も現行の50%から55%に引き上げる。一方、消費意欲が比較的高い若年層への資産移転を促すため、贈与税は減税する。来春に税制改正関連法が成立すれば、相続税の増税は来年4月以降の相続から、贈与税の減税は来年1月以降の贈与から適用となる。

2009年中に死亡した人のうち、相続税の課税対象となったのは4万6431人で、全体の4.1%。今回の増税が実現すれば、全体の6%程度の約7万人に増加する見通しだ。

相続税は遺産総額が基礎控除額に達しなければかからない。現行の基礎控除は5000万円(定額部分)に、法定相続人1人あたり1000万円を加えた額。来年度改正では定額部分3000万円、1人あたり600万円に下げる。

例えば夫が死亡し、妻と子ども2人が1億円の相続遺産を引き継ぐ場合、基礎控除額は現行では8000万円だが、改正で4800万円に縮小し、課税対象額は5200万円増える。他の遺産額の大きさなどで負担は変わるものの、現在の税率で計算すると、200万円程度の増税となる。

最高税率も見直す。現行では法定相続人1人あたりの受け取り相当額が3億円を超すと税率が50%となるが、6億円を超す分を55%とする。税率の区分は現行の6段階から8段階に増やす。

死亡保険金に対する相続税の非課税枠も縮小する。非課税枠を使える対象を法定相続人のうち、未成年者や障害者、同居人などに限定。同居していない成人などは対象外となる。非課税枠は現行で法定相続人1人あたり500万円。たとえば妻と2人の子どもが相続すると、3人分の1500万円分が非課税となっている。

贈与税は20歳以上の子や孫への贈与にかける税率を一般より5~10%下げる。親子間の生前贈与を促す「相続時精算課税制度」も20歳以上の孫にまで適用を広げる。同制度は親が死亡して子が遺産を相続する際、生前贈与した財産と合算して相続税額を計算するしくみ。生前贈与への課税を相続時点まで繰り延べられる利点がある。

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