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原発推進、自民が発信強める 小泉氏発言をけん制

石破幹事長「最終処分場、国主導で」

自民党執行部が原子力発電所の再稼働や使用済み核燃料の最終処分場の選定を巡って発信を強めている。安倍晋三首相に「原発ゼロ」を決断するよう促した小泉純一郎元首相を意識したものだ。政府が年内に策定予定の「エネルギー基本計画」に関して、党内の一部には原発依存度を下げるよう求める声もある。執行部は政府と足並みをそろえて原発の必要性を訴える構えだ。

自民党の石破茂幹事長は16日のテレビ東京番組で、使用済み核燃料の最終処分場の選定について「『建設したい所は手を挙げて』というのではなく、最終処分場にふさわしい地域はここだと示すことが国の責任だ」と強調。処分地を公募する現在の方式を見直し、国の責任で進めるべきだとの考えを示した。国が最終処分場のメドが立たないことを理由に原発「即ゼロ」を訴える小泉氏をけん制した形だ。

使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物の処分は、一時的に原発が稼働していない現在でも必要な技術。政府は2014年夏にも北海道で処分技術を検証する実験を始める方針だ。石破氏は16日、都内で記者団に「原発をゼロにしても最終処分はやらなければならない」と指摘した。

石破氏は原発再稼働について「今ある原発の安全を確保したうえで再稼働する」と強調。原発の新増設に関しては「再稼働がよくて新設がダメだというのは理論的には成り立たない」と訴えた。「安全が確保された最新鋭の原発を全面否定しない」と語った。

自民党は7月の参院選公約で「エネルギー政策をゼロベースで見直す」とする一方、原発については原子力規制委員会が安全と判断すれば再稼働する方針を示した。小泉氏が「原発ゼロ」を繰り返し訴えることで、今後の党内議論に影響を与えかねないため、党幹部は火消しに回っている。

基本計画の主な論点
▼原子力発電所の位置付け
安全が確認された原発を再稼働するか
▼電力システム改革
発送電分離や地域独占の見直し
▼資源調達体制の見直し
米国の「シェールガス」産出の影響や、安価に天然ガスを調達する仕組みを議論

今後の焦点となるのは政府が年内に策定する「エネルギー基本計画」を巡る意見調整だ。高市早苗政調会長は、福井県選出の山本拓衆院議員が会長を務める「資源・エネルギー戦略調査会」に最終処分場のあり方を議論するよう指示。同調査会は政府のエネルギー基本計画を審査する権限を持ち、調査会が了承しない限り、基本計画は閣議決定できない仕組みだ。

執行部は小泉氏の発言について「最終処分場は夢のまた夢で到底できないと言っているが、誤解がある」(細田博之幹事長代行)などと反論する。一方、10月24日の調査会会合では「核燃料サイクルができないのに『できる』とウソで塗り固めるのは健全でない」(河野太郎衆院議員)との声も上がった。推進派と慎重派との間で意見集約が難航する可能性がある。

石破氏は16日の番組内で、小泉氏の「『原発ゼロ』と歯切れのいい発言に国民が賛同している状況は無視できない」としながらも「党の方針が変わることはない」と改めて強調した。東京電力福島第1原発事故を受け再稼働に慎重な声も残る中、党幹部は難しいかじ取りを迫られる。

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