2019年9月23日(月)

補正、防災・復興と企業支援が柱 膨らむ公共事業

(1/2ページ)
2013/1/16付
保存
共有
印刷
その他

政府は15日に閣議決定した2012年度補正予算案で、復興・防災対策と企業向けの支援策を二本柱に景気の底上げを狙った項目を並べた。緊急経済対策としてインフラ補修事業を積み増したほか、起業支援や技術革新を促す事業を盛り込んだ。だが急いで金額を膨らませた面は否めない。従来型の公共事業が含まれるなど、長期的な経済成長への「呼び水」になるかは疑問も残る。

■「防災」に名を借りる懸念も

2012年度補正予算案の姿
(規模は13兆1054億円)
〔支出内訳〕
(1)復興・防災対策3兆7889億円
▽復興事業3177億円
▽復興債の減額・償還1兆2685億円
▽防災・減災対策2兆2024億円
(2)成長による富の創出3兆1373億円
(3)暮らしの安心・地域活性化1兆7044億円
(4)地方向け交付金1兆3980億円
(5)公共事業の前倒し契約枠2530億円
経済対策への国費投入
(小計)
10兆2815億円
義務的経費の増加2397億円
基礎年金国庫負担の維持2兆5842億円
〔財源内訳〕
建設国債増発5兆2210億円
年金特例公債(つなぎ国債)
増発
2兆5842億円
11年度決算剰余金
(復興分含む)
1兆9871億円
税収の上振れ分と税外収入4105億円
国債の元利払い費の使い残しなど1兆7322億円
公務員人件費の削減3328億円
財政融資資金4028億円
復興特別会計の不用1120億円

(注)公共事業の前倒し枠は財源が不要、四捨五入の関係などで合計額が合わない場合もある

補正予算案の柱は3兆8000億円近くを投じる「復興・防災対策」で、公共事業の大幅な積み増しにつながった。このうち2兆2000億円を老朽化した道路や下水道などの点検・補修や建物の耐震化への支援などに振り向ける。地方自治体向けには使い道を補修や点検などに絞った「防災・安全交付金」(5498億円)を創設する。

事業の中身を吟味すると、道路の未開通区間(ミッシングリンク)の整備費にも623億円を計上しており、主要都市間をつなぐ道路を緊急に整備する。太田昭宏国土交通相は「無駄な公共事業は必要ない」と強調するが、「防災」に名を借りて従来型の公共事業が膨らむ懸念はぬぐえない。

東日本大震災の被災地復興には約1兆6000億円を拠出する。津波の被災地の住宅再建に対する新たな支援に1047億円、緊急雇用対策に500億円を振り向ける。

だが大半は事実上の来年度以降への「先送り」だ。約1兆円は来年度以降に予定していた復興債の償還を前倒しする。浮いたお金で、来年度以降の新たな事業に備える。被災地では人手や用地不足のため事業が進まず、これまでに計上した予算の消化が進まない状況が続いているためだ。

福島の関連では、東京電力福島第1原子力発電所の廃炉支援に850億円を計上。放射性物質を分析する拠点と遠隔操作ロボットを開発する施設を福島県内に整備する。研究者や技術者らの働く場をつくる狙いもある。

  • 1
  • 2
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。