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欧州安定へ迅速行動を G20閉幕、銀行の資本増強支持

【パリ=木原雄士】日米欧に新興国を加えた20カ国・地域(G20)がパリで開いた財務相・中央銀行総裁会議は15日夕(日本時間同日深夜)、共同声明を採択して閉幕した。欧州債務危機が金融不安につながっている現状を踏まえ、「銀行システムや金融市場の安定を保つための行動を取る」と明記。欧州が打ち出した銀行の資本増強策を支持したうえで、金融安定に向け一段の行動を迅速にとるよう求めた。

G20会議のポイント
【欧州債務問題】
世界経済に著しい下振れリスク。欧州金融安定基金(EFSF)の再強化など包括対策を欧州に期待。銀行の資本増強を含め金融システム安定にあらゆる行動をとる
【不均衡是正】
11月の首脳会議で行動計画を策定。先進国に成長と財政再建の両立、新興国に為替柔軟化などを求める
【市場安定】
為替相場の過度の変動や無秩序な動きに懸念
【金融規制】
銀行の新自己資本規制は予定通り実施。ヘッジファンド規制強化

共同声明は「世界経済の著しい下振れリスクに断固として対処する必要がある」と指摘。金融市場で一部の欧州系銀行の資金繰りが厳しくなっていることに対応し、中央銀行は「必要な場合に銀行に流動性を供給する」との方針も盛り込んだ。

そのうえで、不安解消に向け南欧諸国が発行した国債を大量に保有する銀行が「十分な自己資本を確保する」ことの必要性にも言及。議長国フランスのバロワン経済・財政・産業相は閉幕後、必要な措置を取ると表明し、公的資金の投入も視野に入れていることを明らかにした。

今回のG20会議は欧州の債務問題が世界的な金融不安に広がるのを防ぐことに力点を置いた。欧州諸国に対し、金融安定に向けて一段と踏み込んだ包括策をまとめるよう要請。23日の欧州連合(EU)首脳会議の「結果に期待する」と迫った。

安住淳財務相は欧州への追加支援に関して、会議で「協力できる所があれば、協力していきたい」と言及したが、EFSF債の購入拡大など具体的な支援策の表明は見送った。日米両国は欧州の包括策を見極める構えだ。

会議では、一部の新興国が「欧州の投資家を中心に新興国から資金の引き揚げが起こり、堅調だった経済の失速を招きかねない」と懸念を表明。金融安全網として国際通貨基金(IMF)の資金基盤の拡充などを訴えた。ただ、日米両国は慎重姿勢で、共同声明では「IMFがシステム上の責任を果たすために十分な資金基盤を持つべきだ」と指摘するにとどめた。

共同声明は為替レートについては、これまでの表現を基本的に踏襲。日本の主張を踏まえ「過度な変動や無秩序な動きは経済及び金融の安定に対して悪影響を与える」と指摘する一方で、「市場で決定される為替レートに対する支持を再確認した」と暗に介入をけん制する表現も残した。

G20は足元の危機対応のほかに、世界経済の持続的な成長に向け、対外収支の不均衡など構造問題に取り組む姿勢も示した。11月のG20首脳会議(カンヌ・サミット)でまとめる行動計画(アクションプラン)では「先進国は財政健全化を達成するために明確で信頼に足る具体的な措置を実施する」と指摘。新興国は中国を念頭に「より市場で決定される為替レートシステムに移行する」とした。

新しい銀行の自己資本規制であるバーゼル3の実施や、ヘッジファンドなど「シャドーバンキング(影の銀行)」への監視を強化する方針でも一致した。

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