GDP成長率の3分の2、車や家電の「特需」が担う

2010/11/15付
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内閣府が15日に発表した7~9月期の国内総生産(GDP)速報は前期比0.9%増(年率3.9%増)と、市場見通しの2.6%増を大幅に上回る高成長となった。支えたのはクルマやエアコンなど耐久財の駆け込み消費という特殊要因。実質で前期比11.1%増、年率換算すると52.5%増となり、成長率の3分の2はこれによって押し上げられた。10~12月期は大幅な反動減が予想されており、年明け以降の回復力が今後の焦点になりそうだ。

15日の東京株式市場はGDP速報値が市場予想を大幅に上回ったことを好感して日経平均株価が反発。9800円台を回復する場面もあった。ただ買いの一巡後は景気の先行き不透明感が広がった。「政策効果を背景に7~9月期が好調だったのは織り込み済み。どの程度の反動減が生じるかに注目している」(大和住銀投信投資顧問の門司総一郎投資戦略部長)

7~9月期のGDPのポイント(実質、前期比)
▽経済成長率
  • 年率換算で実質3.9%。4期連続のプラス。4~6月期の1.8%より大幅に上昇
  • 名目では年率換算2.9%。2期ぶりのプラス
▽個人消費
  • 1.1%の高い伸び。1%以上の伸びは5期ぶり
  • 自動車やエアコンなど耐久財が成長率の3分の2を押し上げ。駆け込み需要や猛暑効果が主因
  • たばこなど非耐久財も成長率を0.1ポイント押し上げ
▽設備投資
  • 0.8%増。4期連続のプラス
  • 伸び幅は4~6月期の1.8%増から縮小
▽住宅投資
  • 1.3%増。2期ぶりのプラス
▽公共投資
  • 0.6%減。5期連続のマイナス
▽輸出
  • 2.4%増。6期連続のプラス
  • 円高やアジア向け輸出の減少で、伸びは大幅に鈍化。外需の成長率への寄与はほぼゼロ

7~9月期のGDPを大きく押し上げたのは個人消費だ。中でもエアコンやクルマなど耐久財の実質消費は前期比11.1%増と、バブル期の89年7~9月期以来となる高い伸びを示した。GDP全体の成長率(0.9%増)のうち、0.6ポイント分は耐久財消費の押し上げ効果で説明できる。

それだけに反動減リスクは大きい。10~12月期以降は、家電エコポイントの制度変更なども重なる。みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「10~12月期は前期比マイナスに陥る可能性が非常に強い」と指摘する。

焦点は来年1~3月期以降の景気動向だ。エコカー補助金などの反動の影響が残るとみられるうえ、雇用情勢も厳しく、個人消費の高い伸びには期待できない。

焦点は海外経済。米国では雇用や景況感が持ち直す動きが出ており、米経済が成長軌道に戻るかどうかがポイントとなりそうだ。中国など新興国が今後も需要を支え、いずれ補正予算が執行されれば、景気の押し上げ効果は徐々に出てくる。マネックス証券の村上尚己チーフエコノミストは「自動車などの生産調整が早期に終われば、景気回復の動きが確認できる」とみている。

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