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消費・投資増の好循環、持続力は? GDP年5.9%増

2014年1~3月の日本経済は民間需要の2本柱である個人消費と設備投資が伸び、国内需要をけん引した。ただ4月の消費増税に加え、パソコンの買い替え需要など一時的な要因が重なった面もある。景気は増税後の足踏みの後、夏にも緩やかな回復軌道に戻るとみられるが、回復の持続力には課題も残っている。6月に改定する成長戦略などで企業や消費者の先行きへの期待を保つ必要がある。

国内経済が成長し続けるうえで、設備投資の回復がカギになる(宮城県大和町のトヨタ『アクア』のエンジン製造ライン)

消費税率を5%に上げた直前の四半期にあたる1997年1~3月期と比べると、14年1~3月期は内需の伸びが際立った。実質の前期比で4.9%増えた設備投資は97年より1.0ポイント高く、9四半期ぶりに大きな伸び率。個人消費は同じ伸び率だが、2月の大雪で外食などのサービスが振るわなかったことを考えると、今年の方が勢いは強かった。

需給の引き締まりを受け、総合的な物価の動きを示す国内総生産(GDP)デフレーターは4年半ぶりにマイナスを脱した。働く人の数も、1人あたり賃金も増え、雇用者が受け取る報酬の総額にあたる名目雇用者報酬も前年同期に比べ0.4%増えた。

背景には消費増税だけでなく、一時的に需要を押し上げる要因が重なったことがある。14年1~3月期は米マイクロソフトの基本ソフト(OS)であるウィンドウズXPのサポート切れ前にあたり、内閣府は「企業のパソコン購入が設備投資を押し上げた」とする。

住宅は1~3月期には着工戸数が減ってきたが、出来高に合わせて計上するGDPでは増加を保った。旧税率で購入できる9月末までの契約物件で工事が続いた形だ。建設現場の人手不足で工事が遅れ、結果として1~3月期の住宅投資を膨らませた可能性がある。

14年1~3月の個人消費は耐久財が前期比13.7%増え、97年1~3月期の4.5%増よりもかなり大きかった。自動車の駆け込み購入が大きく膨らんだうえに、ルームエアコンや冷蔵庫などで比較的高めの商品が良く売れた。

このため4~6月期は個人消費がほぼ確実に前の期を下回る。住宅投資も足元の着工が減り、今後は成長率を下押ししそうだ。12年度補正予算に盛り込まれた5兆円規模の公共事業も「ほぼ出尽くした」(内閣府)ため、公共投資が景気を支える効果も限られる。

甘利明経済財政・再生相は15日午前の記者会見で今後の課題について「(成長戦略にあたる)第3の矢をできるだけ具体化していくこと」を挙げた。第1、第2の矢として放った金融緩和と財政出動で支えた13年度すら、実質成長率は2.3%。実質で2%という中長期の成長目標を保つには、民需主導をもたらす構造改革が欠かせない。

今のところ企業からは、増税後の販売の落ちこみは想定内に収まっているとの声が多い。夏のボーナス増などで消費増税の痛みを抑えているうちに、将来への期待を高める成長戦略を充実させることが一段と大切になる。

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