政府・日銀が円売り介入 6年半ぶり、単独で

2010/9/15付
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政府・日銀は15日午前、2004年3月以来、6年半ぶりとなる円売り・ドル買い介入に踏み切った。欧米の景気が不透明感を増していることなどを背景に、円相場が約15年ぶりの高値となる1ドル=82円台になるなど、急激な円高・ドル安が進んでいるため。過度な円高の阻止に向けて、日本政府が断固たる姿勢を示すことで、相場の安定を目指す。

野田佳彦財務相は同日午前、財務省内で記者団に対して、「為替相場の過度な変動を抑制するため、為替介入を実施した」と明らかにした。介入の理由については「我が国経済はデフレが進行し、依然厳しい状況にある。足元の(急激な円高の)動きは経済・金融の安定に悪影響を与え、看過できない」と語った。介入は日本政府が単独で実施した。

15日の東京市場では、米国経済の不透明感が強まっていることなどを背景に円が買われ、一時、1ドル=82円80銭台まで円高が進行。前日に付けた約15年ぶりの高値を連日で更新する動きとなった。14日の民主党代表選で、為替介入に慎重とみられていた菅直人首相が再選したことで、一段の円高が進んだ。日銀が先月実施した追加金融緩和も大きな効果を発揮せず、政府はこれまで"封印"してきた為替介入に踏み切る必要があると判断した。介入を受け、円相場は1ドル=84円台まで下落した。

日本企業の間では急速な円高への警戒感が一段と強まっている。経済産業省の緊急調査では、1ドル=85円の円高が続いた場合、製造業の約4割が生産工場や開発拠点を海外に移転すると回答。想定を上回る円高に、企業業績の悪化や産業の空洞化が現実のものとなりつつあることから、経済界からは為替介入を求める声が続出。政府内でも「介入やむなし」との声が高まっていた。

ただ日本政府による円売り介入は、輸出主導の景気回復を目指す米欧などから積極的な支持を受けているわけではない。実際、今回の介入は米欧などと協力して実施する「協調介入」ではなく、日本政府による単独介入だった。円高阻止のための単独介入を日本が繰り返せば、海外諸国から批判が噴出する可能性もある。

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