「辺野古移設」の日米合意踏襲を伝達 菅首相、沖縄知事に

菅直人首相は15日午前、就任後初めて沖縄県の仲井真弘多知事と首相官邸で約30分会談した。米軍普天間基地の移設先について、同県名護市辺野古と確認した5月末の日米合意を踏襲する意向を伝達。同時に、騒音低減など「沖縄の負担軽減に誠心誠意臨みたい」と述べた。仲井真知事は「日米共同声明は遺憾で実現は難しい。極めて厳しい」と県内移設案の受け入れは困難との立場を改めて表明した。
仲井真知事は普天間基地の県外移設を目指しながらも挫折した鳩山前政権を振り返り「県外移設への県民の期待が失望に変わった。この落差は大きい」と強調した。首相は23日に沖縄県を就任後初めて訪問し、同県糸満市で開く沖縄全戦没者追悼式に出席すると伝えた。その際も仲井真知事と会談したい意向だ。
仲井真知事は会談後、記者団に「政府と意見交換しながら方向を見つけていくしかない。注文を付けていく」と語った。
15日の閣議後の閣僚懇談会では、首相が「官房長官を中心にして内閣一体としてこの問題に取り組んでいきたい」と各閣僚に協力を求めた。
鳩山由紀夫前首相は在任中の5月に2度、沖縄を訪問して仲井真知事と会談。「県外」としてきた移設先を「名護市辺野古」にすることを説明したが、強い反発を受けていた。