2018年2月22日(木)

原発審査1カ月、再稼働へ明暗 泊は「黄信号」
伊方・川内、大きな問題なく

2013/8/15付
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 原子力規制委員会による原子力発電所の安全審査がスタートしてほぼ1カ月たち、再稼働に向けた各原発の進捗に濃淡が出てきた。四国電力・伊方(愛媛県)や九州電力・川内(鹿児島県)が順調な一方で、北海道電力・泊(北海道)は遅れが目立ち、冬の稼働が厳しくなってきた。関西電力・大飯(福井県)は審議に入れない。地震や津波対策で明暗が分かれた格好で、再稼働時期にも大きな差が出てきそうだ。

規制委の審査会合で津波対策を説明する関西電力の担当者ら(右側)

 「断腸の思いで1、2号機は当面運転再開しない」。14日の審査会合で、関電の担当者は高浜3、4号機(福井県)の再稼働を優先するため、規制委の要請を全面的に受け入れる方針を表明した。大飯の審査も大幅に遅れており、規制委との対立を避けた格好だ。

 関電は高浜原発で高さ2.6メートルとしていた基準津波を、敷地の海抜を上回る3.99メートルに上方修正した上で、3、4号機の浸水対策のため1、2号機の取水口を閉鎖して防潮堤を設置する計画を示した。規制委は敷地に津波が入らないよう、さらなる対策強化を求めた。

 北海道電も準備不足が目立つ。泊1、2号機の申請に3号機の安全解析を流用したため、田中俊一委員長に「代替受験みたいなものだ」と皮肉られ、1、2号機の審査は保留のまま。13日の審査会合でも、九電が外部電源や緊急時対策所など8冊の資料を用意したのに対し、北海道電は電源の1冊だけ。規制委の更田豊志委員は「もう少しペースアップしてもらわないと」と苦言を呈した。

 田中委員長は14日の記者会見で「事業者がついてこれないところもある。専門的能力を高めていただかないと」と北海道電を暗に批判した。泊3号機は津波の想定でも見直しを指示されており、今冬の再稼働に黄信号がともってきた。

 最も順調なのは四国電の伊方3号機だ。審査の第一関門となる地震・津波の審査でも「地下構造が把握されている」(島崎邦彦委員)とお墨付きを得た。事故の際の指揮拠点となる緊急時対策所も、申請した6原発で唯一整備済み。現状で再稼働の筆頭候補にいる。

 九電も対応を急ぐ。玄海3、4号機(佐賀県)の申請はほかの5原発より4日遅れたが、審査の進捗は追いついた。川内1、2号機では、突貫工事中の緊急時対策所の一本化などを指示されたものの、大きな問題にはなっていない。

 一方、東京電力は柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の安全審査を規制委に申請できないままだ。新潟県の泉田裕彦知事が反対しているほか、福島第1原発の汚染水の海洋流出でも東電への批判が高まり、社外取締役にも「いまは汚染水対策が最優先」との声がある。東電は8月中の申請をめざすが、広瀬直己社長が求める知事との再会談も調整がついていない。

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