首相、集団的自衛権「各国同様の行使は困難」 限定容認を強調
(更新)
衆院予算委員会は14日午前、安倍晋三首相と関係閣僚の出席のもとで集団的自衛権の行使容認について集中審議を開いた。首相は他国と同様の集団的自衛権が認められるわけではないと強調し「攻撃国の意思」など5つの判断基準を挙げた。中東のホルムズ海峡に機雷が敷かれた場合などの掃海活動に関しては、停戦前でも新たな武力行使3要件を満たせば可能になるとの認識を示した。

首相は「各国と同様の集団的自衛権の行使を認めるなど従来の政府見解の基本的論理をこえて武力行使が認められるような解釈を現憲法のもとで採用するのは困難」と指摘。武力行使が可能な範囲をこれ以上広げるには「憲法改正が必要だ」とした。
行使要件について、横畠裕介内閣法制局長官は「我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶのが明らかなこと」と説明。首相は想定される例として「我が国近隣で武力攻撃が発生し、攻撃国の言動などから早急に止めなければ我が国にも武力攻撃が行われかねない状況」を挙げた。
具体的には(1)攻撃国の意思、能力(2)事態の発生場所(3)規模、態様、推移(4)我が国に戦火がおよぶ蓋然性(5)国民が被る犠牲の深刻性、重大性――などから総合的に判断するとした。
首相は中東のホルムズ海峡での機雷除去について「エネルギー安全保障上、極めて重要な輸送経路だ。石油供給が回復しなければ国民生活に死活的な影響を与える事態が生じうる」と指摘。停戦合意前でも、自衛隊の活動が可能との認識を示した。自民党の高村正彦副総裁、公明党の北側一雄副代表、民主党の海江田万里代表への答弁。