失業3カ月以上200万人超 09年、若者で深刻

2010/4/15付
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失業の長期化が鮮明になってきた。失業期間が3カ月以上に及ぶ完全失業者は2009年に200万人を超えた。2年連続の増加で、金融危機前の07年に比べて3割以上増えている。深刻なのは若年層(15~34歳)で、求職と求人がかみ合わない「ミスマッチ」が目立つ。再就職が難しい状況が続いており、景気回復後も失業の長期化に歯止めがかからない恐れがある。

総務省によると、09年の完全失業者は前年比27%増の336万人。このうち3カ月以上の失業者は29%増の214万人、1年以上は9%増の95万人となった。1年以上の失業者が労働力人口全体に占める割合(長期失業率)は1.4%と、2年連続で上昇した。

期間3カ月以上の失業者は08年秋の金融・経済危機で増加に転じた。求人の減少で求職活動が長期化。ハローワーク新宿(東京・新宿)の担当者は「希望条件を下げて数十社と面接しても就職できず、ハローワークに通い続ける失業者もいる」と話す。

09年に施行された改正雇用保険法は、雇用契約を更新できずに職を失った人を対象に失業給付の期間を延長できるようにした。東京労働局は「制度改正もあって、失業給付の受給者が減らない状況が続いている」と説明している。

経済協力開発機構(OECD)によれば、日本では期間1年以上の失業者の割合が08年に33%にのぼり、加盟国平均の26%を上回る。国際労働機関(ILO)国際労働問題研究所のレイモン・トレス所長は「日本では長期失業の傾向がみられる。失業者が働く意欲を失うと、もとに戻すのが難しくなる」と語る。

特に失業期間の長期化が目立つのは若年層。09年の期間3カ月以上の失業者を年齢層別にみると、25~34歳は前年比36%増、15~24歳は35%増と、増加幅が大きい。若年層にとっては希望通りの仕事を見つけにくく、職業経験を十分に積めないままで失業が長引いているとみられる。希望する仕事がないミスマッチによる失業者の割合は15~24歳で45%、25~34歳で36%に上る。

従来は派遣規制といった労働規制の相次ぐ緩和が雇用を生み出していた。だが鳩山由紀夫政権は規制強化へと労働政策を転換。これによって派遣労働者の採用を手控える企業が増え、失業者の受け皿が減少している。

北欧のデンマークやスウェーデンでは労働者が職種別に技能を身に付けられる体制が整えられており、失業した場合でも企業で培った技能を他社で容易に生かせるために再就職がしやすい。これに対して日本では、労働者がある企業で身に付けた技能が再就職先では十分に認められないケースが多い。日本総合研究所の山田久主席研究員は「北欧型の労働市場を築けなければ、失業期間を短くするのは難しい」と指摘する。

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