白血病、妊婦対象に全国検査 特命チームが初会合
政府は13日、成人T細胞白血病を起こすウイルス「HTLV1」の感染症対策を検討する特命チームの初会合を首相官邸で開いた。菅直人首相は「母乳を介した母子感染は効果的な予防対策が確立しており、全国的な実施に向けて一刻の猶予も許されない」と述べ、妊婦を対象にした全国一律の抗体検査を今年度中に実施する方針を確認した。
8日に患者団体と面会した際、来年度から実施できるよう予算措置を講ずるとしていたが、実施の前倒しを指示した形だ。
会合では、正しい知識の普及や、相談・診療体制の整備、治療・予防の研究促進などの総合対策を年内にまとめることで一致した。
HTLV1の推定感染者は全国で100万人以上で、主な感染経路は母乳や夫婦間の性交渉。感染しても生涯に白血病を発症するのは2.5~5%程度とされる。