東電「再稼働なければ値上げ」 金融機関に試算提示
東京電力が柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)の運転停止が続いた場合、2014年3月期の経常損益を黒字化するには来年1月にも8.5~10%程度の値上げが必要になるとの試算を取引金融機関に示したことが分かった。
ただ東電は昨年の値上げに続く再値上げとなり、消費者の反発も予想される。あくまで金融機関向けの試算と位置づけており、実際に値上げを申請するかどうかは慎重に検討する。
試算では柏崎刈羽の停止が続けば、14年3月期の経常損益は8.5%の値上げで均衡し、10%の値上げで約300億円の黒字になる。15年3月期まで停止が続いても、8.5~10%の値上げで2100億~2300億円の経常黒字になるという。いずれも政府に公的資金を返済した後の数字となる。
東電は昨年5月にまとめた総合特別事業計画で14年3月期の経常黒字を約束した。経常赤字になれば3期連続で、金融機関が融資を引き揚げかねないからだ。試算は金融機関に10月の800億円弱の借り換えに同意してもらうためにまとめた。
東電は柏崎刈羽6、7号機の再稼働をめざしているが、新潟県の泉田裕彦知事の反対で原子力規制委員会への安全審査も申請できていない。試算は14年度中も再稼働できない事態を想定し、東電の収益がどうなるかを示した。
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