2019年2月20日(水)

税制大綱決定 貯蓄から投資、道半ば

2013/12/13付
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税制改正では、家計の金融資産を貯蓄から投資に移す環境整備にも取り組んだ。少額投資非課税制度(日本版ISA=NISA)は毎年、違う金融機関で非課税の投資ができるようにする。運用成績で受取額が変わる確定拠出年金(日本版401k)では、掛け金の限度額を2014年秋にも引き上げる。ただ、金融所得課税の一体化の推進や個人年金制度の大胆な改革は先送りした。(1面参照)

14年1月に始まるNISAは個人投資家が非課税口座を開く金融機関を15年から毎年選べるようにする。現行制度は4年間、同じ金融機関で投資する必要があり、非課税枠でほかの金融機関の商品を買えない。改正により、非課税で運用できる商品の選択肢が広がる。

日本の家計の金融資産は6月末で1590兆円で現預金が5割強を占める。政府はNISAを預貯金から投資に誘導する起爆剤と位置づけ、20年までに25兆円の投資総額をめざす。証券会社や投資家から「毎年、複数の金融機関から商品を選べるようにしてほしい」との要望が多く、制度開始前の変更に踏み切った。

制度の存続期間は10年。金融業界には恒久化を求める声も多いが、金融庁は利用状況を見極める必要があるとして要望を見送った。ほかの口座との損益の相殺ができないなどの使い勝手の悪さも指摘され、今後の課題となりそうだ。

老後の備えを厚くする意味でも、投資を後押しする税制措置が必要だ。

今回の改正では企業型の確定拠出年金で、非課税となる毎月の掛け金の上限を14年10月にも約8%引き上げる。09年度以来、約5年ぶりの改定だ。企業年金をほかに持たない場合は上限が5万5000円に、ほかの企業年金と組み合わせた場合では上限が2万7500円になる。

確定拠出年金は毎月の掛け金を元手に、加入者があらかじめ用意された金融商品を選んで運用する。運用成績に応じて、将来受け取る年金額が変わる。企業型では企業が出す掛け金が全額損金算入でき、個人型では掛け金を全額所得控除できる。運用で生じた配当や譲渡益も非課税だ。

今回、限度額の引き上げが決まった企業型は約1万7千社が採用し、利用者は450万人を超える。掛け金の上限額が上がれば、より多くの資金を非課税で運用でき、利用者や運用額の増加につながりそうだ。

今回の改正で積み残した課題も多い。確定拠出年金では、厚生労働省は当初、掛け金の上限を2~3割引き上げるよう要望していたが、引き上げ幅は8%にとどまった。従業員個人や自営業者が掛け金を拠出する個人型では、掛け金の限度額引き上げを見送った。

金融所得課税の一体化も課題だ。個人が異なる投資から出た利益から損失を差し引いて課税対象の所得を減らせる「損益通算」が可能となり、投資がしやすくなる。16年からは損益通算の範囲が国債や外国債券、公社債投信などに広がる。金融庁は今回、さらにデリバティブ取引や預貯金にも拡充するよう求めていたが、見送られた。

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