/

脱デフレへ成長底上げ 成長戦略決定、投資減税盛る

政府は12日の産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)で、日本経済の活性化に向けた成長戦略を決めた。企業の生産設備の更新や事業再編を促すため「思い切った投資減税で法人負担を軽減する」と明記した。デフレ脱却に向けて成長を底上げし、10年後の1人当たり国民総所得は現在の4割増の「150万円以上増加する」との目標を掲げた。具体策をまとめた関連法案を秋の臨時国会に提出する。

「日本再興戦略 ジャパン・イズ・バック」と名付けた成長戦略は14日に閣議決定する。13日に経済財政諮問会議がまとめる経済財政運営の基本方針「骨太の方針」も同じ閣議で決定する。首相は17~18日の主要8カ国(G8)首脳会議後、ロンドンで成長戦略に関して講演して日本への投資を呼び込みたい考えだ。

首相は12日の産業競争力会議で「これまでと次元の違うスピード感を持って政策を実行に移していく」と強調した。「改革のための戦略で、改革に終わりはない」と、経済再生を軌道に乗せるための政策を打ち続けていく姿勢を示した。甘利明経済財政・再生相は秋に向けて議論すべき課題として、金融資本市場改革を挙げた。

企業の活力を引き出す方策として、設備投資減税をすると踏み込んだ。5日の素案では明示していなかったが、金融資本市場で「新味に乏しい」との受け止めが広がり、株安の一因となった。

成長戦略は設備投資減税で「積極姿勢に転じた企業を大胆に支援していく」と、デフレ脱却への強い意志を示した。「減税」を初めて書き込むことで、市場の安定に結び付けたいという思惑がある。

具体策としては、今年度から2年間に限り設備投資額の3%を法人税から税額控除できる優遇措置をさらに拡充するといった案が浮上している。首相は秋の臨時国会を「成長戦略実行国会」と位置づける。同国会に提出する産業競争力強化法案に減税メニューを盛り込む考えを示した。例年、年末にまとめる翌年度の税制改正の議論を「与党の協力も得て、秋に前倒しする」とも述べた。

医薬品のインターネット販売は「消費者の安全性を確保しつつ、適切なルールの下で行う」うえで認めるとした。最後まで表現の調整が続いたが、5日に首相が表明した形で決着した。

地域を限って大胆に規制を緩和する国家戦略特区は、優先的に取り組む緩和策として6項目を列挙した。外国人ビジネスマンらが都心に住みやすいよう建物の容積率を緩和するなど、生活環境の改善を通じて外資系誘致の促進につなげる。改革が進まない「岩盤規制」だった公立学校の運営の民間開放も認める。8月後半にも対象地域を選ぶ。

成長戦略は企業が中長期的な視点にたって設備投資しやすくなる環境を整える狙い。企業が生産設備の更新で競争力を高めて収益が改善すれば、賃金の増加を通じて消費が上向くという「成長の好循環」を描く。ただ成長戦略は投資減税の仕組みづくりを示したばかりで、好循環がいつ生まれるかは不透明だ。

春割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

関連キーワード

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で申し込むログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で申し込むログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で申し込むログイン