2019年6月26日(水)

太陽光・風力エネルギー、安定性に課題 経産省が有識者会議

2011/5/12付
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東京電力福島第1原子力発電所の事故をふまえ、経済産業省は12日、エネルギー政策のあり方を検討する有識者会議である「エネルギー政策賢人会議」の初会合を開いた。原発の安全性や化石燃料の問題点、再生可能エネルギーの安定性などを幅広く議論することを確認。7月をメドに考え方をまとめる方針だ。安定供給に向けてエネルギー間のバランスをどうするかが焦点だが、課題は山積している。

会議の冒頭、海江田万里経産相は「エネルギーの問題は日本の国の形を決める大変大きな仕事だ」と意欲を示した。

政府は昨年6月に閣議決定したエネルギー基本計画で、総発電量に占める原発の比率を2030年に5割(09年度は3割)まで高める目標を掲げた。現在は54基ある原発を14基増設し、稼働率を90%(同66%)に引き上げるとしていた。

だが、原発事故を受けて全国的に原発への不安が高まっており、菅直人首相は10日、エネルギー基本計画について「白紙に戻して議論する必要がある」と表明した。

有識者会議で検討する論点は2つある。第1は太陽光など再生エネルギーの利用拡大だ。現行では再生エネルギーの比率を1割から2割にする計画だが、これをどこまで高められるかがポイントとなる。

日本では太陽光や風力発電は多額のコストがかかるうえ、出力が天候に左右されるためにあまり普及してこなかった。政府は再生エネルギーを普及させようと、発電した人から電力会社が全量を買い取る制度を12年度に導入する方針だが、効果には疑問の声も出ている。会議では委員から「地熱発電の可能性は一考の価値がある」との指摘があった。

第2は地球温暖化への対応策。電力各社は足元では液化天然ガス(LNG)による火力発電の稼働率を高めているが、LNGは割高なうえ、温暖化ガスの排出が増えるとの問題がある。

環境省の試算では20年までの新設を断念し、東日本大震災などで停止中の原発14基を再開せずに火力発電で補った場合、二酸化炭素(CO2)排出量は1990年比で10%増える。石炭火力ではCO2の地下貯蔵(CCS)の実験が進むが、実用化は遅れている。

委員の間からは温暖化問題の国際交渉をにらんで「日本の高効率な石炭火力発電技術を生かして、世界に貢献していくべきではないか」との提案があった。

安全性を高めたうえで原発の稼働継続をどう探るかも課題。米仏などの主要国だけでなく、中東なども原発を推進するなか、日本が原子力技術を放棄するのは難しいとの指摘も出された。

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