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経産相に枝野前官房長官 原発事故に精通

(更新)

野田佳彦首相は12日午前、東京電力福島第1原子力発電所の視察を巡る不適切な言動で引責辞任した鉢呂吉雄前経済産業相の後任に、枝野幸男前官房長官を内定した。菅内閣の官房長官として原発事故の経緯に精通していることから適任と判断した。同日午後に正式決定し、皇居での認証式を経て、13日召集の臨時国会に臨む。

枝野氏は民主党幹事長などを務めた後、今年1月に官房長官に就任。東日本大震災発生後は原発事故の収束の対応にあたった。新経産相として、原発問題を含むエネルギー政策の見直し、環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉参加問題などに取り組むことになる。

首相は10日に鉢呂氏が辞任した後、藤村修官房長官を経産相の臨時代理としていた。首相は原発事故収束を政権の最優先課題に掲げているうえ、臨時国会の開会も迫っているため、後任人事の調整を急いでいた。藤村長官が12日午後の記者会見で正式発表する。

首相は11日、鉢呂氏が福島第1原発周辺を「死の町」と表現したことや、報道陣の一人に「放射能をつけてやろうか」と袖をなすりつけるしぐさをしたことについて「福島県民の心を傷つけることになり、深くおわびしたい」と述べた。首相官邸で記者団に語った。

自民党幹部は12日午前、枝野氏の経産相起用について「震災対応、原発対応ができなかった菅内閣の要の人だった」と批判した。

同党の大島理森副総裁は臨時国会で、鉢呂氏を任命した首相の責任を追及する考えを示した。政府・与党が臨時国会で衆参の予算委員会を開かない方針を示していることについて「断じて許すわけにはいかない」と強調した。党本部で記者団の質問に答えた。

公明党の山口那津男代表は11日、豪雨災害の視察に訪れた三重県紀宝町で記者団に「被災地の実情に対して心ない発言で、許されるものではない」と述べた。首相の任命責任に関しては「挙党態勢をおもんぱかるあまりに、人材の適材適所が本当に適切に図られたのか、甚だ疑問だ」と指摘した。

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