2019年8月23日(金)

首相、TPP交渉参加を表明 「アジアの成長取り込み必要」

2011/11/11付
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「アジア太平洋地域の成長力を取り入れる」 TPP交渉参加を正式表明する野田首相(11日)

「アジア太平洋地域の成長力を取り入れる」 TPP交渉参加を正式表明する野田首相(11日)

野田佳彦首相は11日夜、首相官邸で記者会見し、環太平洋経済連携協定(TPP)について「交渉参加に向けて関係国と協議に入る」と表明した。同時に「貿易立国として築いた現在の豊かさを次世代に引き継ぐには、アジア太平洋地域の成長力を取り入れていかなければならない」と強調した。12日からのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の場で関係国に伝える。日本経済の再生に向けて関税撤廃を原則とするTPP参加交渉に臨み、米国など関係国との調整や同意を経て、来春にも交渉入りする。

与党内では農業分野への打撃などを理由に交渉参加への反対論が強く、首相は決定を当初予定していた10日から1日、先延ばしした。首相は「国益を最大限に実現するため、全力を尽くす」と決意を示すとともに「守るべきものは守り抜き、勝ち取るものは勝ち取る。医療制度や美しい農村は断固として守り抜く」と語った。農業に関しては「必要な予算措置を行っていきたい」と反対論への配慮を示した。

反対派は首相の記者会見を「事前協議で、参加表明ではない」と解釈しており、実際の交渉入りまでの党内調整や国内調整は難航が避けられない。消費増税準備法案への対応も絡んで政権運営は正念場を迎える。

TPPは米国など9カ国が物品の関税撤廃など21分野でのルール作りを進めている。首相はAPECの場を利用した関係国会合に出席し、交渉参加の意思を伝える方向で調整している。交渉の決着までは約1年かかるとの見方が強く、日本はルール作りに関与できるとみている。

日本が交渉入りするには9カ国の同意を得る必要があり、米国の議会手続きなどを考えれば、実際の交渉入りは2012年春ごろになる想定だ。

TPPの原則である関税撤廃方針については「段階的に撤廃とはどうするのか、例外はあるのかを含めて定まっていない。国益実現へ協議する」と、例外品目の獲得を目指す考えを示した。

首相の参加表明に先立ち、政府・民主三役会議と関係閣僚委員会を開いて手続きを進めた。民主党のプロジェクトチームが「慎重に判断する」との提言をまとめたことを考慮した。

山田正彦前農相ら反対派は11日、両院議員総会の開催要求に必要な党所属議員の3分の1を超える142人の署名を集め、輿石東幹事長に提出した。首相がAPECから帰国した後、両院総会に代わる議員懇談会を開き、首相が直接、説明する方向だ。

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