所得格差の是正進む 再分配、社会保障で改善

2013/10/11付
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国民の所得格差の是正が進んでいる。厚生労働省が11日発表した2011年の所得再分配調査によると、税金や社会保障制度を使って低所得層などに所得を再分配した後の世帯所得の格差を示す「ジニ係数」は0.3791だった。再分配前の当初所得でみた係数より31.5%縮小し、この縮小幅は過去最大となった。年金・医療でたくさんの給付を受ける高齢者の増加が背景にある。

所得再分配調査は3年に一度、前年の所得を対象に実施する。再分配前の当初所得のジニ係数は0.5536で、前回の08年調査(0.5318)を上回り過去最大になった。公的年金は所得に加えないため、高齢者が増える分だけ格差は広がりやすくなる。ジニ係数上昇の約7割分は高齢化による要因だった。所得水準が低い単身世帯が増えたことも影響した。

税金や社会保険料を差し引いたうえで、公的年金などの給付を加えた所得でみた係数も前回調査(0.3758)より上昇した。ただ、格差が再分配後にどれだけ縮小したかを示す修正幅は初めて3割を超えた。社会保障制度による改善度が28.3%と大きく、税による改善度は4.5%にとどまった。

年金や医療などで受け取れる給付額から税や保険料などの負担額を引くと、20~50代はマイナスだが、60代以降はプラスに転じる。現役世代から高齢世代への所得移転による格差是正は進む。

一方で、若年層では同世代内の格差が広がった。たとえば世帯主が35~39歳のジニ係数は当初所得分で08年の0.2779から、11年には0.3358に急上昇した。世帯主が「29歳以下」「30~34歳」の場合も08年より係数が上昇。非正規社員の増加や就職難が響いたとみられる。

今回の調査は民主党政権下での所得再分配の実態を調べたものだ。民主党政権は子ども手当や高校無償化などの給付拡大を進めたものの、厚労省はそうした政策の効果は「今回の結果にほとんど影響していない」としている。

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